TK税務&法務事務所の事務所通信
柏木孝夫税理士・行政書士事務所
事務所通信

第5号 減価償却費を損金経理していないけど翌期認容できますか

減価償却の損金経理と翌期認容

 

 

 

(事例)

3月決算法人が、機械を購入し、

2事業年度前の3月30日に工場に搬入されました。

 

しかし、実際に事業の用に供したのが、

翌事業年度(1事業年度前)の4月10日でした。

それ以後、機械は現在に至るまで

事業の用に供しています。

 

この法人が、機械が搬入された日に、

誤って減価償却費の計上をしたところ、

 

今事業年度の調査により、

2事業年度前に計上した減価償却費は、

機械が、事業の用に供されていない

として否認されたが、

 

翌事業年度においては、

事業の用に供していることから、

償却超過の当期認容が認められるのでしょうか。

 

 

 

 

法人税法第31条(減価償却資産の償却費の計算及びその償却の方法)第1項は、

内国法人の各事業年度終了の時において有する

減価償却資産につき

 

 

その償却費として第22条第3項の規定により

当該事業年度の所得の金額の計算上

損金の額に算入する金額は、

 

 

その内国法人が当該事業年度において

その償却費として損金経理

(法人税法第2条25号)した金額

(損金経理額)のうち、

 

償却限度額に達するまでの金額とする

旨規定しています。

 

 

 

これでは、毎期、償却費として損金経理

した場合でないと、

損金の額に算入されないこととなるので、

同条第4項は、損金経理額には、

 

 

第1項の減価償却資産につき

同項の内国法人が

償却費として損金経理をした事業年度

(償却事業年度)前の各事業年度における

 

 

当該減価償却資産に係る損金経理額のうち

当該償却事業年度の各事業年度の

所得の金額の計算上

損金の額に算入されなかった金額を含むもの

とする旨規定しています。

 

 

 

これにより、翌期事業年度にあらためて

償却費として損金経理することなく、

別表4において償却超過額の当期認容額として

損金の額に算入されることとなります。

 

 

 

 

では、本件の場合はどうでしょうか、

前事業年度で否認された償却超過額として

否認されたこととなるのでしょうか。

 

 

 

 

法人税法第2条(定義)第23号(減価償却資産)は、

減価償却資産とは、

建物、構築物、機械及び装置、船舶、車両及び

運搬具、工具、器具及び備品、鉱業権その他の資産で

 

償却をすべきものとして

政令で定めるものとをいう旨規定しています。

 

 

 

 

法人税法施行令第13条(減価償却資産の範囲)は、

法人税法第2条第23号に規定する

政令で定める資産は、

 

 

棚卸資産、有価証券及び繰延資産以外の資産のうち

次に掲げる建物等

(事業の用に供していないもの及び

時の経過によりその価値の減少しないものを除く。)

とする旨規定しています。

 

 

 

そうすると、前事業年度に購入した本件機械は、

前事業年度末においては

事業の用に供していないことから、

 

定義から、減価償却資産ではない

こととなります。

 

 

そのため、前事業年度に計上した償却費は、

償却超過額として否認されたものではなく、

減価償却資産でないとした否認となります。

 

 

 

したがって、本件は、

法人税法31条第4項の適用はなく、

翌事業年度において損金経理額はないこととなり、

翌期の償却超過額の

当期認容はできないこととなります。

 

 

 

 

次に、法人税基本通達による

損金経理を検討しますと。

 

 

 

法人税基本通達7-5-1(償却費として損金経理をした金額の意義)は、

 

法人税法第31条第1項に規定する

「償却費として損金経理をした金額」には、

法人が償却費の科目をもって経理した金額のほか、

 

損金経理をした次に掲げる金額も

含まれるものとするとして、

 

 

原価外処理した付随費用の額、

圧縮限度額を超えた減額した金額、

修繕費や除却損・評価損、

少額な減価償却資産を消耗品費等、

ソフトウエアの研究開発費などである旨

定めています。

 

 

これは、法人税法第31条では、

「償却費」以外の科目名を用いている場合には、

税法上はこれを減価償却したものとして

認めないということになるので、

 

 

 

通達において、たとえ法人が

償却費以外の科目名で費用化した金額であっても、

 

その性質上償却費として損金経理したものとみて

差し支えないものを例示し、

 

 

 

これについては、税法上も

減価償却をしたものとみなして

取扱いこととするものです。

(法人税基本通達逐条解説10訂版694ページ)

 

 

 

 

また、売上除外した金銭で

簿外の減価償却資産を購入していた場合には、

減価償却費としての損金算入は

認めないこととしていることから、

 

 

この損金経理の取扱いは、

拡大して解釈しません。

 

 

 

したがって、事業の用に供していない資産の

減価償却費は、償却費ではなく、

 

 

 

また、法人税基本通達に規定する

償却費以外の科目でもないことから、

 

前事業年度に否認された償却費を

翌事業年度の償却費として損金経理したものと

認めることはできません。

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