TK税務&法務事務所の事務所通信
柏木孝夫税理士・行政書士事務所
事務所通信

第7号 インド現地法人に委託し日本で支払ったソフトウェア開発費用について、インド現地法人はPEがなくても日本で源泉所得税・法人税が課税されるか(日印租税条約の読み方)

インド現地法人に委託し

日本で支払ったソフトウェア

開発費用について、

インド現地法人はPEがなくても

日本で源泉所得税・法人税が

課税されるか

(日印租税条約の読み方)

 

 

 

 

 

(租税条約について)

租税条約は2国間の租税に関する条約で、 

それぞれの国がそれぞれの国と

租税条約を締結しています。

所在地国と源泉地国との税金の取り合いであり、

 

 

例えば、日本の会社が、インドの国を源泉地とする

所得を得た場合でも、

日本国は、その日本の法人に対して、

インドにおける所得も含めたところで

法人税を課税します。

(ワールドワイド課税)

 

 

そうすると、インド国は、

インドを源泉とする所得が

発生しているにもかかわらず、

課税できないこととなります。

 

 

そこで、インドでは、

インドを源泉地とする所得に

源泉所得税を課税することとなります。

 

 

そうすると、その日本の会社は、

インド国からの源泉所得税と

日本国からの法人税と二重に

課税されることになります。

 

 

そこで、日本国の法人税は、

インド国で源泉徴収された源泉所得税を

税額控除の対象とすることにより

二重課税の排除を行っています。

 

 

そのため、あらかじめ、

この源泉地国で課税される

源泉所得税の範囲や税率を

租税条約で決めているのです。

 

 

当然、インドの会社が、

日本国を源泉とする所得を

得た場合は、

日本で源泉所得税が、

課されることとになります。

 

 

 

 

(国内源泉所得)

また、源泉所得とは、

法人税法第138条(国内源泉所得)及び

所得税法第161条(国内源泉所得)

それぞれの形態別に規定されています。

 

 

通常は、日本に恒久的施設、

いわゆるPEがある場合を想定し、

 

日本国にそのPEがあれば、

日本を源泉とした所得を

すべてそのPEの所得として課税するのを

エンタイアインカム方式(総合主義)

と呼んでおり、

 

 

そのPEに帰属する所得のみに対して課税するのを

アトリビュータブルインカム方式

(帰属主義)と呼んでいます。

 

 

通常PEがなければ、

所得税法における源泉所得税

(利子・配当など)

課税されて終了となります。

 

 

 

国内税法は、総合主義で

租税条約は、帰属主義を採用しており、

 

以前は、租税条約を締結すると

租税法律主義から

国内源泉所得の範囲が異なっていたので、

その差異に課税されないものがありました。

 

例えば、PEが日本国にあった場合、

PEに帰属していなくても

国内源泉所得はPEに帰属するとして課税するのが

総合主義でした。

 

 

つまり、外国の親法人が

日本の会社と直に取引した場合は、

本来は総合主義では

PEの所得として課税すべきですが

実際にはできていませんでした。

 

 

また、PEが韓国などの第三国と

取引をして得た所得は、

PE帰属の所得であるが、

国内源泉所得でないので

PEに対して課税できていませんでした。

 

最近、日本国は、

PEの課税について

総合主義から帰属主義に変換することにより、

問題は解消している。はずです。

 

 

 

(特許権の使用料)

インドの租税条約を説明する前に、

特許権の使用料いわゆる

ロイヤリティの使用料について説明しますと、

 

 

ロイヤリティの使用料についての所得源泉地は、

PEではなく、

その工業所有権等が使用されたところに

源泉があるとする使用地主義がとられています。

(PEの認定って難しいですからね。)

 

 

例えば、日本国の会社が

シンガポールの工場で

アメリカの会社の技術供与を受けた場合の支払いは、

 

日本で支払うこととなっても、

シンガポールで使用しているので、

日本で源泉が課税されないということです。

 

 

 

しかし、日本とイタリアとの間で締結している

租税条約では、使用料の支払者が

租税条約の締結国の居住者の場合には、

その国で所得が生じたものとされる規定、

 

 

いわゆる債務者主義が採用されていますので、

 

イタリアの会社から技術供与を受けた場合は、

日本で源泉所得税が課税されることになります。

 

なお、イタリアの会社は、

日本にPEがなければ、

法人税も課税されません。

 

 

 

 

(ソフトウェア開発費用)

ここで、日本の会社が、

インドの会社に対して

ソフトウェアの開発などを依頼し、

インドの会社がソフトウェアを開発した場合、

 

 

日印租税条約では、

人的役務提供は債務者主義を採用しているため、

 

 

実際のソフトウェアの作成が

インドであるか否かを問わず、

支払者の日本における国内源泉所得となります。

 

 

つまり、所得税法第161条第1項第6号及び

同施行令第282条に規定する

専門的知識又は特別の技能を有する者

当該知識又は技能を活用して行う

役務の提供を主たる内容とする事業が

 

 

日印租税条約第12条に規定する

人的役務提供に該当すると、

日本で源泉所得税が

課税されるということです。

 

 

問題は、法人税です。

インドの会社は、

インドでソフトウェアの開発をしています。

日本にはPEがありません。

 

本来は、源泉所得税を支払って終了です。

 

 

しかしながら、当該ソフトウェアの開発が

法人税法第138条第1項第2号及び

同施行令第179条第3号に規定する

人的役務の提供に該当すると、

 

 

当該ソフトウェアの開発は

国内源泉所得に該当し、

法人税法第141条第2号から、

 

PEを有しない外国法人であっても

法人税が課税されることとなります。

 

 

 

 

そうすると、当該ソフトウェア開発の

インドの法人は、日本にPEがなくても

法人税を申告することとなります。

 

 

しかしながら、当該ソフトウェア開発に係る

支払いには、日本国において

源泉所得税が課税されているため、

 

 

法人税の申告にあたっては、

所得税額控除を適用することとなります。

 

 

ここで、売上の20%と所得の30%と

どちらが大きいか想像してください。

 

 

結果的に、法人税は還付

されることとなります。

よかったですね。

 

 

なお、どこの税務署に提出することとなるのかは、

各自考えてくださいね。

今回はちょっと難しかったですね。

 

 

 

 

(参考)

日印租税条約第12条

4  この条において、

「技術上の役務に対する料金」とは、

技術者その他の人員によって提供される役務を含む

経営的若しくは技術的性質の役務又は

コンサルタントの役務の対価としてのすべての支払金

(支払者のその雇用する者に対する支払金及び

第14条に定める

独立の人的役務の提供の対価としての

個人に対する支払金を除く。)をいう。

 

 

6  使用料及び技術上の役務提供に対する料金は、

その支払者が

一方の締約国又は当該一方の締約国の

地方政府、地方公共団体若しくは

居住者である場合には、

当該一方の締約国内において生じたものとされる。

 

 

日本とインドの間の租税条約では、

人的役務の提供の取扱いについて、

他の日米租税条約等とは

異なった規定ぶりをしています。

 

 

日米租税条約では、

「技術上の役務に対する料金」を定義し

区分した課税を行う旨定めた条項がないので、

 

 

結局は、事業所得に分類され、

「PEなければ課税なし」の原則どおり、

日本国内にPEがなければ、

所得税も法人税も課税されないこととなります。

 

 

なお、実務上は、ソフトウェアの開発であっても、

特許が付されている場合は、

特許権の使用料として取り扱われる場合があるので、

実態によって判断することになります。

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