TK税務&法務事務所の事務所通信
柏木孝夫税理士・行政書士事務所
事務所通信

第73号 構成要件は違法類型か違法・有責類型か

構成要件は違法類型か違法・有責類型か

 

 

 

まず、犯罪とは、構成要件に該当し

違法で有責な行為とされています。

 

そして、構成要件は違法の類型なので、

違法性阻却事由がないかぎり

違法であることが推定されます。

 

その後、本人にとって責任が

阻却される事由がない限り、

犯罪となると考えますが、

 

そもそも構成要件は違法・有責な類型である

と考えることもできます。

 

つまり、構成要件に該当すれば、

違法性阻却事由と責任阻却事由がないかぎり

犯罪であると考えるものです。

 

つまり、構成要件の内容が、単に違法な行為の類型だけ

ではなく、違法で有責な行為の類型

であるのではないかということです。

 

 

次の議論を読んでどのように考えますか。

 

A (違法類型説で故意を違法要素と考える立場)

 

構成要件が違法類型かどうかについては、

目的的行為論の立場から、

故意についても違法要素であると考えられます。

 

したがって、そもそも構成要件は

全体として違法類型である考えられます。

 

行為には必ず意思があり、

その意思に基づいて行為を行っているから、

ある違法な行為をすれば、

そこにはすでにその行為をしようとする

意思つまり故意があるはずです。

 

 

 

B (違法類型説で故意を違法要素とみない結果無価値の立場)

 

構成要件は、違法類型であると考えられますが、

違法性の本質は、結果無価値であると考えます。

 

 

つまり、故意のような外的・客観的な事情とは

関係がないその者の事情は、

 

犯罪リス卜である構成要件から

除外すべきであると考えます。

 

つまり、悪いことはその結果のみであり、

その結果が全てであり、

そのような結果を生み出すことをしてはいけない

という類型が構成要件であり、

 

その意思や心の問題ではないという意味です。

それは、責任のところで考えればいいのです。

 

 

 

C (違法・有責類型説)

 

故意が、違法要素であるかどうかよりも、

違法類型説からすると刑法104条証拠隠滅罪

 

(他人の刑事事件に関する証拠の

隠滅のみを処罰する規定。

つまり、自分の刑事事件の証拠隠滅は

この罪にはならない)

 

における「他人の刑事事件」のように、

構成要件に属する類型的・客観的な

責任要素をどのように考えるかです。

 

 

 

B:違法類型説からすると、

証拠隠滅罪における「他人の刑事事件」の意義は、

類型的・客観的な責任要素ではなく、

単なる構成要件要素であると考えます。

 

 

行為者の主観に関係なく、

「他人の刑事事件」でない場合には、

 

証拠隠滅罪の成立が否定されるので、

個別の責任とは関係がないと考えます。

 

 

A :しかしながら、Bの立場でも、

窃盗罪(10年以下の懲役又は50万円以下の罰金)

などの領得罪(盗む罪)における

不法領得の意思については、

 

権利者排除意思利用処分意思

との両方が必要であるとされています。

 

しかしながら、これは、毀棄罪

(文書毀棄罪や器物損壊罪など、

 5年以下の懲役等で、

 利用処分の意思はなく、壊す罪)

との区別の観点から、

 

利用処分意思については、

責任要素であると解しているとすると、

 

Bの立場は、構成要件が違法のみの類型

であるとしていることから、

 

責任要素を含む不法領得の意思は

構成要件とは全く関係がない要素

ということになりませんか。

 

 

C :しかしながら、Aの立場でも、

利用処分意思は構成要件要素なのか、

あるいは責任要素なのかのいずれかになるが、

 

構成要件を記述しているようにみえる要素であっても、

 

責任要素であるとされた瞬間に

構成要件から除外されるのは奇妙である。

 

 

つまり、構成要件の記述の中に

責任要素の記述も含まれているのではないか。

 

 

そうすると、構成要件は、違法で有責な類型

ではないかと考えるがいかがか。

 

2018年法学検定上級試験から抜粋し、一部加筆したもの

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