TK税務&法務事務所の事務所通信
柏木孝夫税理士・行政書士事務所
事務所通信

第104号 再びDES (第1回目は第11回)擬似DES (日本スリーエス事件)

再びDES (第1回目は第11回)擬似DES (日本スリーエス事件)

 

 

(事件の概要)

日本スリーエス社は

本件子会社に対する債権が不良債権となっていたため、

当期は、利益が大幅増加する予測から、

本件子会社の発行する増資新株式を

額面に比較して高額で引き受け、

それを直ちに代表者の関連会社に

低廉譲渡することにより、

有価証券譲渡損を計上した。

本件子会社は、当該増資払込額を持って、

日本スリーエス社に対して債務を弁済した。

 

税務署長は、法人税法第132条

同族会社の行為計算否認の規定により

新株式の取得価額は額面(取得価額が高額である)

であり、有価証券譲渡損が

過大に計上されているとして、 更正処分をした。

 

争点は、有価証券の取得価額は額面価額であるとし、

超過している部分に対する払込金額は

寄付金に当たるか否かである。

 

(会社の主張)

法人税法施行令第38条第1項第1号から、

有価証券の取得価額は

払込金額となるので売却損の計上に問題はない。

 

(第1審藤山判決)

本来であれば損金に計上することのできない

本件子会社に対する貸付金を

有価証券売却損という形をとることにより、

損金に計上する目的があったからこそ、

(高額な)払い込みが行われたものである

というべきである。

 

そうすると、本件子会社の新株の発行に際して、

原告がその対価として子会社について

(高額な)払込をした行為は、

これを容認した場合には、

法人税の負担を不当に減少させる

結果となると認められ、

 

税務署長は法人税法第!32条によって、

右行為を否認することができるもの

というべきである旨判示した。

 

次に、額面金額を超える部分については、

被告(国)は、

本件子会社の新株1株について払い込んだ金額は

株式の額面金額であるとし、

額面金額を超える部分については、

寄付金に該当すると認定したものであって、

額面金額を超える部分については、

何ら対価がなくその部分については、

原告の経済的利益が社外に流出している。

 

したがって、法人税法第132条を適用して

本件子会社の1株について

払い込んだ金額は株式の額面金額であるとしました。

 

 

控訴審における日本スリーエス社の主張は、

結果的に、不良債権から不良株式に返還されただけで、

資産内容に影響はなく、

各子会社は、

債務が減少し

資本金の額等が増加することにより

資産内容は格段に良くなっていることから、

日本スリーエス社にとっても、

経済的合理性があったというべきであり、

法人税法第132条の適用はないとしました。

 

(控訴審判決)

控訴審判決では、

日本スリーエス社の主張するような

貸金を原資として株式を取得する行為は

存在しないのであるから失当である。

 

すなわち、本件に関する日本スリーエス社の行為は、

① 日本スリーエス社が払込金を払い込んで

 新株式を取得した行為、

② 日本スリーエス社が取得した新株の全部又は一部を

 代表者の関連会社に譲渡した行為、

③ 日本スリーエス社が本件子会社から

 貸金の返還を受けた行為であり、

 

日本スリーエス社は、

これら一連の行為を一体として行ったものであるので、

日本スリー エス社の主張は

当を得ないものといわざるを得ない旨判示しました。

 

 

(評価)

払い込みという資本取引を

どのような理由で寄付金と認定するかということ、

同族会社でない場合にまで認定できるかということ、

無額面株式の場合には、その価格をいくらとするのか

は判示されていなかったが、

 

組織再編税制により、

以後は現物出資として

適格の場合と非適格の場合に区分して

処理をすることとなります。

 

適格現物出資の場合は、

親会社は、簿価の貸金債権が消滅し、

簿価のまま有価証券となり、

 

子会社は、簿価の債務の消滅と

時価の資本金の額の増加及び差額が

資本積立金となります。

 

非適格現物出資の場合は、

親会社は、簿価の貸金債権の消滅と

時価の有価証券の取得とその差額が損金となり、

 

子会社は、簿価の債務の消滅と

時価の資本金の額の増加及び差額が

債務消滅益となります。

 

法人税法は平成18年の税制改正で、

法人税法施行令第8条第1項の

第8号(適格)第9号(適格)により、

評価額説を採用し、

時価評価することとなりました。

 

したがって、子会社では、原則として

債務消滅益を計上することとなりますが、

一定の場合には、法人税法第59条から

会社更生等により債務免除等があった場合の

欠損金の損金算入の規定が使えます。

 

問題は、親会社において消滅した貸金と

時価との差額の処理です。

 

 

貸倒損失か寄附金か株式評価損が考えられますが、

寄附金とする説が有力で、本件も寄附金としています。

 

その上で、損金の額に算入されるか否かについては、

基本通達9-4-1の世界に入ることとなります。

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