TK税務&法務事務所の事務所通信
柏木孝夫税理士・行政書士事務所
事務所通信

143号 法人税の重加算税の取扱い(個別通達)について

第1賦課基準

1(隠蔽又は仮装に該当する場合)国税通則法第68条第1項又は第2項に規定する「国税の課税標準等又は税額等の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠蔽し、又は仮装し」とは、例えば、次に掲げる不正事実がある場合をいう旨定めています。

 

1 二重帳簿を作成していること

2 帳簿書類の隠匿、虚偽記載があること

具体的には、帳簿書類を、破棄又は隠匿していること帳簿書類の改ざん、偽造・変造、虚偽記載、相手方と通謀による虚偽の証憑書類の作成、帳簿書類への意図的な集計違算その他の方法により仮装の経理を行っていること帳簿書類を不作成しない・記録しないで売上げその他の収入の脱漏又は棚卸資産の除外をしていること

3 特定の損金算入又は税額控除の要件とされる証明書その他の書類を改ざんし、又は虚偽の申請に基づく当該書類の交付を受けていること

4 簿外資産に係る利息収入、賃貸収入等の果実を計上していないこと

5 同族会社であるにもかかわらず、その判定の基礎となる株主等の所有株式等を架空の者又は単なる名義人に分割する等により非同族会社としていること

 

 

国税通則法第68条(重加算税)第1項は、過少申告加算税の規定に該当する場合において、納税者がその国税の課税標準等又は税額等の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠蔽し、又は仮装し、その隠蔽し、又は仮装したところに基づき納税申告書を提出していたときは、当該納税者に対し、国税通則法施行令第27条の3 (加重された過少申告加算税等が課される場合における重加算税に代えられるべき過少申告加算税等)で定められるところにより、過少申告加算税の額の計算の基礎となるべき税額に係る過少申告加算税に代え、当該基礎となるべき税額に100分の35の割合を乗じて計算した金額に相当する重加算税を課する旨規定しています。

 

なお、過少申告加算税の規定に該当する場合には、修正申告の提出が、その申告に係る国税についての調査があったことにより当該国税について更正があるべきことを予知してされたものでない場合を除きます。

 

さらに、過少申告加算税の額の計算の基礎となるべき税額は、その税額の計算の基礎となるべき事実で隠蔽し、又は仮装されていないものに基づくことが明らかであるときは、当該隠蔽し、又は仮装されていない事実に基づく税額として国税通則法第28条(重加算税を課さない部分の税額の計算)で定めるところにより計算した金額を控除した税額です。

 

(罰則)法人税法第159条は、偽りその他不正の行為により、確定申告に規定する法人税の額及びその他の法人税の額につき、法人税を免れた場合には、法人の代表者、代理人、使用人その他の従業者でその違反行為をした者は、10年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金に処し又はこれを併科する旨規定しています。

 

偽り不正の行為そのものは、上記隠蔽又は仮装に該当する場合とほとんど同じものであると考えられます。

偽り不正と仮装・隠蔽の違いについて、法人税法のほ脱は行為であるから、そこには、行為をする又はしないの意図も目的もあります。

 

したがって、ほ脱行為は、税金を免れる目的もって不正の行為をすること、または申告書の提出をしないこととする明らかな意思が必要ですが、国税通則法68条の仮装・隠蔽の場合は、実際に実行するのは代表者等であるにもかかわず、主語が納税者であることから法人の場合は法人そのものであることとなります。

 

つまり、仮装・隠蔽の目的そのものはほ脱の意思までは必要ありません。単なる仮装・隠蔽の事実行為です。

しかしながら、仮装・隠蔽は、仮装・隠蔽としての事実ではありますが、その実行者にとって、仮装・隠蔽する意思は必要となります。

仮装・隠蔽する意思がない場合(例えば過失)にまで重加算税が課されることは問題となりま自動すが、判決では、本人が知らずに税理士が仮装・隠蔽をした場合や、他省庁に提出する仮装の土地売買契約書で申告した場合であっても、本人が仮装・隠避したと認められています。

 

さらに、過少申告加算税に代えてなので、納税者が、そのような仮装・隠蔽(例えば架空経費)をすれば法人税額が過少となるであろうという認識は必要であると考えます。

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