TK税務&法務事務所の事務所通信
柏木孝夫税理士・行政書士事務所
事務所通信

151号 法人税法施行令第8条(資本金等の額)Part 9 (株式交換2)

法人税法施行令第8条第1項第10号は、株式交換により移転を受けた株式交換完全子法人の株式の取得価額から当該株式交換による増加資本金額等を減算した金額を資本金等の額とします。

 

これは、株式交換により移転を受けた株式交換完全子法人の株式の取得価額から当該株式交換による増加資本金額等を減算した金額です。

 

つまり、株式交換により、受け入れた株式は、資本金の額を増加させた部分以外を、資本金等の額、いわゆる資本積立金とするということです。

 

法人税法第2条第12号の17において、適格株式交換等とは、次のいずれかに該当する株式交換等で株式交換等完全子法人の株主等に株式交換完全親法人の株式又は株式交換完全支配親法人株式のいずれか一方の株式以外の資産が交付されないものをいう旨規定しています。

 

つまり、株式交換親法人の株式のみ交換株式となるものです。

また、株式交換そのものは、会社法で定義されており、法人税法では、適格株式交換等を定義しています。

 

上記法人税法第2条第12号の17で規定する「次のいずれか」とは、

イ その株式交換に係る株式交換完全子法人と株式交換完全親法人との間に当該株式交換完全親法人による完全支配関係その他の法人税法施行令第4条の3第18号で定める関係がある場合の当該株式交換 (完全支配18号関係)

 

つまり、完全支配関係があり、親法人株式のみの交付の場合は適格とするということ

 

口 その株式交換等に係る株式交換等完全子法人と株式交換等完全親法人との間にいずれか一方の法人による支配関係(次回説明)

 

ハ その株式交換に係る株式交換完全子法人と株式交換完全親法人とが共同で事業を行うための株式交換(次々回説明)

 

上記イの法人税法施行令第4条の3第18号で定める関係とは、 次に掲げるいずれかの関係する旨規定しています。

 

つまり、完全支配関係に準ずる関係である。

1 株式交換当該株式交換に係る株式交換完全子法人と株式交換完全親法人との間に当該株式交換完全親法人による完全支配関係(無対価株式交換)があり、

当該株式交換当該株式交換完全子法人と株式交換完全親法人との間に当該株式交換完全親法人による完全支配関係が継続することが見込まれている場合おける当該株式交換完全子法人と株式交換完全親法人との間の関係をいいます。

 

例えば、株式交換する前に親法人、子法人、孫法人の関係がありそれぞれ100%完全支配関係にあるところ、親法人と子法人との間で、孫法人の株式を交換することにより、子法人と孫法人が親法人のそれぞれ、兄弟法人となる場合の株式交換である。

 

2 株式交換当該株式交換に係る株式交換完全子法人と株式交換完全親法人との間に同一の者による完全支配関係があり、かつ、

次に掲げる要件の全てに該当することが見込まれている場合における当該株式交換完全子法人と株式交換完全親法人との間の関係をいいます。

 

つまり、株式交換前に、兄弟会社となる組織再編があった場合でも、完全支配関係と事業の継続性が必要となり、株式交換にも事業の継続性が必要ですってことです。

 

なお、完全支配関係について当該株式交換が無対価株式交換である場合にあっては、株式交換完全子法人の株主及び株式完全親法人の株主等の全てについて、

 

その者が保有する当該株式交換完全子法人の株式の数の当該株式交換完全子法人の発行済株式等の総数のうちに占める割合と当該者が保有する当該株式交換完全親法人の株式の数の当該株式交換完全親法人の発行済株式等の総数のうちに占める割合とが等しい場合における当該株式交換完全子法人と株式交換完全親法人との間の関係(株主均等割合保有関係)をいいます。

 

これは、それぞれの親法人の株式を合計すれば、それぞれ子法人の株式の100%を保有することとなる関係です。

 

上記「次に掲げる要件」とは、

イ 当該株式交換後に当該同一の者と当該株式交換完全親法人との間に当該同一の者による完全支配関係が継続すること

 

口 当該株式交換後に当該同一の者と当該株式交換完全子法人との間に当該同一の者による完全支配関係が継続すること

 

ハ 当該株式交換後次に掲げる適格合併を行うことが見込まれている場合には、それぞれ次に定める要件に該当すること

 

1 当該同一の者又は株式交換完全親法人を被合併法人とする適格合併の場合

 

(要件)

当該株式交換の時から当該適格合併の直前の時まで当該株式交換完全子法人と株式交換完全親法人との間に当該株式交換完全親法人による完全支配関係が継続すること

 

2 当該株式交換完全親法人を被合併法人とする適格合併の場合

 

当該同一の者と当該適格合併に係る合併法人との間に当該同一の者による完全支配関係がない場合における当該適格合併(特定適格合併)

 

(要件)

当該株式交換の時から当該特定適格合併の直前の時まで当該株式交換完全子法人と株式交換完全親法人との間に当該株式交換完全親法人による完全支配関係が継続し、当該特定適格合併後に当該特定適格合併に係る合併法人と当該株式交換完全子法人との間に当該合併法人による完全支配関係が継続すること

 

3 当該株式交換完全子法人を被合併法人とする適格合併の場合

 

(要件)

当該株式交換の時から当該適格合併の直前の時まで当該株式交換完全子法人と株式交換完全親法人との間に当該株式交換完全親法人による完全支配関係が継続すること

 

ニ 当該株式交換後に当該株式交換完全親法人を完全子法人とする適格株式分配を行うことが見込まれている場合には、当該株式交換後に当該株式交換完全子法人と株式交換完全親法人との間に当該株式交換完全親法人による完全支配関係が継続すること

 

なお、当該株式交換後に当該株式交換完全子法人を被合併法人とする適格合併を行うことが見込まれている場合には、当該株式交換の時から当該適格合併の直前の時まで当該完全支配関係が継続することが必要です。

 

ィと口は、株式交換後においても完全支配関係の継続性を求めているものであり、

ハとニ は、株式交換後にさらに、適格合併・分割を行った場合には、合併会社と被合併会社の人格が合一している場合の考え方です。

 

以上が「次に定める要件」で、そして、以上で、「次に掲げる要件」を説明できました。

 

つまり、株式交換が適格となるためには、交換により交付する株式が当該交換法人の株式 のみであり、

また、当該株式交換の前後に組織再編した場合には、事業の継続性が必要となるということです。

 

株式の移転では組織の合一性が不明であるため、実質的に法人が継続していることが適格の要件となります。

 

これによって、法人税法施行令第4条の3第18号定める関係を説明しました。

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