第176号 現代思想5
現代思想5
第5話 サルトルとレヴィ=ストロース
サルトルといえば、実存主義で、
レヴィ=ストロースといえば、構造主義ですね。
サルトルで有名な作品といえば、「嘔吐」です。
公園でマロニエの木をみたら
吐き気がしたという話です。
なぜ吐き気がしたかというのはまた今度です。
サルトルは、人間の意志の根拠は無である
といいました。
それまでは、人間がなにか一つの行動をするときの
理由はなにかということを
近代哲学は縷々述べてきました。
つまり、サルトル以前は、行為や運動は、
なぜしなければいけないかなどを
客観的に説明しようとしてきましたが、
サルトルは、客観はあるかもしれないが
(物理的に、そうせざるを得ないなど)、
人間が何をするかというのは決まっていない。
だから、人間がなにをするかは、
基本的に自分で「選ぶ」ことである
ということをいいました。
そのため、自分で自分をこういう状況の中に投げ入れる
というのがサルトルの行動の理論となるわけです。
つまり、なにをするのも完全に自由って考えです。
それに対して批判したのが、
構造主義のレヴィ=ストロースです。
今度は文化人類学です。
いままでの文化人類学は、
デカルト的な視点つまり神の視点から
未開人をみてきたのです。
未開人は知識がないので、
わけのわからない野蛮なことをやっている
と考えてきました。タブーなんかがそれです。
レヴィ=ストロースは、この文化人類学に
構造主義を当てはめたのです。
つまり、未開人は遅れているとか、
合理的でないとか、そういう概念をはずし、
未開人が行っている行動も
ある意味合理的であるのではないか。
その構造、つまり背後にあるものはなにか
ということを考えました。
近親相姦のタブーを考えます。親族制度そのものです。
まず、交叉イトコ婚という概念があります。
日本ではあまりなじみがありません。
イトコはイトコです。
というのは、多くの種族では、
交叉イトコと平行イトコを区分しており、
交叉イトコの結婚は奨励されるが、
平行イトコの婚姻は近親相姦であるとして
禁止されている種族もあります。
いままでは、これを未開人の知識のなさや、
道徳性のなさと見てきたのです。
俗にいう犬畜生扱いです。
レヴィ=ストロースは、これについて、
多くの事例を収集することにより検討しました。
まず、交叉イトコですが、交叉イトコとは、
自分の両親それぞれの兄弟姉妹で
両親とは異性の兄弟姉妹の
おじさんおばさんの子供ことです。
だから、逆に平行イトコとは、
両親それぞれの兄弟姉妹で、
両親と同性の兄弟姉妹の子供を平行イトコといいます。
たとえば、父親の弟は父親と同性ですから、
その子供は自分にとって平行イトコになります。
だから、父親の妹は父親と異性ですから、
その子供は交叉イトコになります。
さらに、種族によっては、
母方の交叉イトコとの結婚は奨励されるが、
父方の交叉イトコとの結婚は
禁止であるとかの場合もあります。
だから、近親相姦のタブーとは、
遺伝子の問題であるということのみでは
解決できません。
レヴィ=ストロースは、これに構造つまり
数学を取り入れたのです。
たとえば、フォークダンスの入れ替わり
を考えてください。
くるくると入れ替わっているようですが、
実は、一定の法則でもう一度同じメンバーと
組むようになるのです。
つまり、いろいろな近親相姦のタブーの法則は、
数学的つまり、女性の交換という視点から
数式をみると解決できたのです。
この関係性が問題だったのです。これが構造主義です。
構造主義は関係性をとらえる考え方です。
しかし、構造主義が本当に客観的なのか
どうかという問題や、
構造主義は静止的に説明しているが、
なぜそのような構造が出来上がったのか
という歴史的な側面がないという批判がでました。
これが、次回からのポスト構造主義という考え方です。
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