TK税務&法務事務所の事務所通信
柏木孝夫税理士・行政書士事務所
事務所通信

198号 租税回避行為シリーズ1(分割譲渡)

租税回避行為シリーズ1

(分割譲渡)

 

分割譲渡

もともとは一体で譲渡するつもりでいた一筆の土地を、

累積税率を回避する目的で、分筆登記した上で、

2年にわたって同一の者に譲渡した場合、

同一の土地の譲渡であるとして否認されるか。

 

 

第1審判決

1つの契約書において、

二つに区分した上で譲渡する旨記載があることから、

同時に譲渡されたものと認められる旨判示し、

原処分庁の更正処分を肯定した。

 

 

第2審原告(納税者)の主張

土地の売却目的は、新たに住宅を建設するためであり、

土地の購入時期と住宅の建設時期は異なるので、

それに併せて、

税負担も考慮に入れて時期をずらしたものである。

 

合理的理由もあり、

金融機関とも相談の上で行ったものであり

問題ないと考えている。

 

つまり、一括して譲渡したものを

2つに分割したのではなく、

当初から2つに分けて譲渡するつもりであったものを

そのまま実行したにすぎず、租税回避行為ではない。

 

 

第2審被告(税務署)の主張

契約書において、

代金の受領を分割するとの記載はあるが、

所有権が分割されて移転するとの明確な記載はない。

 

新しく購入した物件の工事状況からも、

当初から一体で譲渡する意思があった

ことは明確である。

 

さらに、分割譲渡した土地の後に

譲渡した土地について、

先に譲渡した土地を引き渡した際に、

譲渡先にあらかじめ、

所有権移転請求権保全の仮登記を

行っていることからも、一体譲渡と認められる。

 

 

第2審判決

(名古屋高裁昭和49年1月17日判決)

所得税法第36条第1項は、

いわゆる権利確定主義を採用していると解されるので、

後者の物件の譲渡代金は、

後者の物件の所有権が買い手に移転したときに

原告(納税者)の収入すべき金額となり、

原告のその年分における収入金額

となるものである旨判示した。

 

理由

後者の土地の譲渡を形式上、

翌年にしたものと認められる。

 

売買契約書には、

後者の土地に対して

所有権移転請求権保全の仮登記を設定後、

 

買い手が本件土地(後者の土地)上に

適法な建築物を建築することを妨げず、

 

この建築確認申請手続等については

全面的に協力するものとするとの約定があり、

 

その後、予定通り建築されていることから、

契約書記載の日に

所有権が移転したと認めることができない。

 

なお、税負担を軽くするために、

土地を二つに分けて売却したいと考えて

実行したものであり、

 

それは、私的自治として

合理的な経済目的からなされた

私法上の行為として許されるところというべきであり、

 

課税負担の軽減をもたらすことを理由に

否認することは許されないものというべきである。

 

 

この判決は、所有権移転の時期を売買契約の締結

ないし効力発生時説から、

所有権移転時説へ移行するものの、

 

主観的意思重視から、

仮登記・引渡し・履行状況等の

客観的事実を重視する方向としたものである。

 

つまり、客観的事実を積み上げることにより、

契約当事者の表面上の合意だけではなく、

その背景にある真実の合意を見出そうとする

ものであると考えられる。 

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