TK税務&法務事務所の事務所通信
柏木孝夫税理士・行政書士事務所
事務所通信

212号 社会保障判例シリーズ(年金3)

社会保障判例シリーズ(年金3)

 

 

重婚的内縁関係と遺族年金の請求権

(最高裁昭和58年4月14日第一小法廷判決)


 

事実の概要

XはAと結婚して子供をもうけたものの

夫婦仲が悪くなり、AはCと親密になって家を出た。

 

Aは、東京都農業会Yに勤務しており、

養育費を支払っていた。

数十年後、Aが死亡し、葬式はCが行った。

 

その後、XがYに対してAの遺族給付の

支給をもとめたところ、

 

Yは却下をしたため、Xは遺族年金給付の

却下決定の取消しを求めて提訴した。

 

第1審、第2審とも原告敗訴。

最高裁は、上告棄却

 

判決

配偶者の概念は、

必ずしも民法の配偶者の概念と

同一のものとみなければならないものではない。

 

遺族給付は、組合員等が死亡した場合に

家族の生活を保障する目的で給付されるものであって、

これにより、遺族の生活の安定と福祉の向上を図り、

 

社会保障的性格を有する公的給付

であることを勘案すると、

 

遺族の範囲は組合員等の生活の実態に即し、

現実的な観点から理解すべきである。

 

すなわち、事実上の離婚状態にある場合には、

もはや遺族給付を受けるべき配偶者に

該当しないものというべきである旨判示した。

 

本判決は、重婚的内縁関係が存在する場合における

遺族年金受給者の認定に関する

初の最高裁判決である点で、

 

法律婚の妻でも

遺族年金を受ける配偶者に当たらない場合はある

ことを示したものである。

 

「一方の悪意の遺棄によって

共同生活が行われていない状態が

長期間継続し固定していると認められるとき」

 

長期間とは、おおむね10年程度以上とし、

夫婦としての共同生活の状態にないとは、

別居していること、経済的依存関係にないこと、

及び音信・訪問がいずれも反復して存在していない

ことのすべてを満たす必要があるとしている。

(社会保険庁通達) 

お気軽にお電話でご連絡ください
06-6131-5335 06-6131-5335
受付時間:10:00~19:00
Access

地下鉄東梅田駅から徒歩3分という便利なロケーションで税務のご相談を承っております

概要

会社名 TK税務&法務事務所
【一般社団法人租税高度困難事案研究所】
住所 大阪府大阪市北区梅田1丁目1番3-600号
大阪駅前第3ビル6階6-2号
電話番号 06-6131-5335
営業時間 9:00~17:00
定休日 土曜日 日曜日 祝日
最寄り 東梅田駅より徒歩3分

アクセス

主に法人の経営を税務と財務の視点から力強くアシストする幅広いサービスをご提供しております。
地下鉄東梅田駅から徒歩で3分という便利な立地に事務所を構えておりますので、ご相談はお電話やお問い合わせフォームから気軽にお申し込みください。
Contact

お問い合わせ

RELATED

関連記事