第237号 証券アナリスト2次試験シリーズ オルタナティブ投資6
証券アナリスト2次試験シリーズ オルタナティブ投資6
(外貨建てオルタナティブ投資)
(経済法令出版社の過去問より)
A基金では、日本の株式及び債券の運用利回りが
低迷しているので、
外国株式のウエイトを20%から30%に
引き上げる方針である。
A基金の外国株ポートフォリオは
MSCI指数をベンチマークとするパッシブ運用である。
これまで為替にはヘッジをしてこなかったが、
外貨建て資産の増加に伴って
一部をヘッジすることとした。
今回新たに、外国株運用として、
エマージング・マーケット・ファンドと
マーケット・ニュートラル・ファンドの
どちらかを採用し、
さらに、為替ヘッジとして
為替オーバーレイ・マネージャーの採用を考えている。
エマージング・マーケット・ファンド(EMF)とは、
新興国株価指数をベンチマークとして
パッシブ運用するもの
マーケット・ニュートラル・ファンド(MNF)とは、
米国株式を対象にマーケット・ニュートラル戦略で
運用されるヘッジ・ファンド
マーケット・ニュートラル戦略とは、
割安な株式を買い、割高な株式を売り、
市場リスクに対してポートフォリオを
ニュートラルにしつつ、プラスアルファのリターンを
狙うアクティブ戦略である。
為替オーバーレイとは、
基金全体の為替エクスポージャーを
専任の運用機関に一元的に管理させ
50%ヘッジをベンチマークとするもの
新興国の株式の投資することのメリットは、
高いリターンが期待でき、
しかも先進国市場との相関が低いことから
ポートフォリオのリスク分散効果に寄与する。
デメリットは、リスクが高く、
流動性が低いことがあげられる。
マーケット・ニュートラル・ファンド(MNF)は、
マーケット・ニュートラル戦略によって
システマティック・リスクをゼロにして、
運用者の能力によってリターンを狙う
アクティブ戦略であるのに対し、
エマージング・マーケット・ファンドは、
市場インデックスをベンチマークとする
パッシブ運用であり、
システマティック・リスクをとって
リターンを狙う戦略である。
したがって、両者は全く異質な戦略といえる。
為替オーバレイ戦略は、
外国証券ポートフォリオの為替部分の運用を切り離して
別の運用者が管理する戦略であり、
有価証券運用と為替運用の投資プロセスを効率化し、
より高いリターンを達成するためのものである。
為替オーバレイ戦略を行うには、
為替の残高を正確に、
しかもタイムリーに把握しなければならず、
そうでなければ想定した投資方針と
異なる結果を招くリスクがある。
また、為替のヘッジ比率が維持されているかどうかを
管理しなければならない。
また、外貨建て資産でアクティブ運用する場合、
運用機関が必ずしも為替運用が得意とは限らないため、
為替運用に特化させたマネージャーを採用する方が
効果的であり、
また、ファンドごとに為替ヘッジを行う際に生じる
ファンド間での売買の相殺による非効率性を
避けることができる。
A基金ではどちらのファンドを採用するべきか。
シャープレシオは
エマージング・マーケット・ファンドよりも
マーケット・ニュートラル・ファンドの方が高く、
MSCI指数との相関が低いため、
リスク分散効果が高いことから、
マーケット・ニュートラル・ファンドを
採用するべきである。
結局、エマージング・マーケット・ファンドは、
ハイリターンであるが、
リスクが高すぎることが欠点となっている。
さらに、パッシブなので、相関が高くなっている。
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