TK税務&法務事務所の事務所通信
柏木孝夫税理士・行政書士事務所
事務所通信

247号 証券アナリスト2次試験シリーズ 投資政策とアセットアロケーション6

証券アナリスト2次試験シリーズ 

投資政策とアセットアロケーション6

(年金のサープラス・アプローチ)

(経済法令出版社の過去問より)

 

 

サープラス・マネジメントとは、

資産側のリスクとリターンを管理するのではなく、

年金資産の時価から年金債務の時価を引いた

年金サープラスのリスクとリターンを管理する手法。

 

 

基金の期首における資産時価債務時価それぞれ、

A0、L0とし、

 

期末における資産時価と債務時価をそれぞれ、

A1とL1とすると、

 

資産のリターンRAは(A1―A0)/A0

で定義される。

 

年金債務のリターンも同様に

RLは(L1-L0)/L0で定義される。

 

また、期首のサープラスS0はA0-L0 、

期末のサープラスS1は、A1-L1となり、

今期のサープラスのリターンRSは

(S1-S0)/L0と定義する。

 

この時の基金の積立比率FはA0/L0とするとき、

RSは、F・RA-RLと表される。

 

 

また、将来の年金債務つまり

累積給付債務(ABO)は、

現時点のABOは確定しているので、

債券のショート・ポジションとみることができる。

 

 

まず、将来の支出である年金給付

予定利率で割り引いた現在価値である給付原価と、

 

将来の収入である掛金

予定利率で割り引いた現在価値である

収入原価との差額が責任準備金(年金資産)である。

 

したがって、年金資産運用では

長期的に予定利率以上のリターンを上げなければ

収支バランスが崩れてしまう。

 

低金利時には年金債務は大きな値となる。

 

 

アセット・アプローチ又は

サープラス・アプローチを用いた場合における

最適なアセット・ミックスに

どのような違いが生じるか。

 

アセット・アプローチでは、

年金債務とは無関係に

運用資産のリターンとリスクから

最適アセット・ミックスが選択されるが、

 

サープラス・アプローチでは、

運用資産と年金債務の関係から

最適アセット・ミックスが決定され、

 

運用資産と年金債務の相関係数次第

アセット・アプローチとは異なる結果となる。

 

 

また、厚生年金基金の資産運用にあたって、

リスク許容度を決定する最大の要因は、

年金の成熟度である。

 

 

年金制度発足間もない期間には

掛金収入に対する給付額の比率が小さいため

積立金は増加するが、

 

時間の経過とともに給付額は次第に増加し、

積立金の伸びは鈍化する。

 

その後、ある年数に達すると

給付額が一定水準となり、

積立金も一定水準に保たれる。

 

この状態は一般に年金制度の成熟と呼ばれる。

 

すなわち、年金が成熟した状態では、

給付額は、掛金収入と運用収入の合計額と

一致することとなる。

 

 

年金の積立金運用に当たっては、

制度の成熟度によって

許容できるリスクの大きさが異なる。

 

成熟度が低い年金プランは

比較的大きなリスクがとれるが、

成熟した年金の許容リスクは小さいと考えられる。

 

 

年金数理では、加入者の退職時点での予測給与水準と

現在までの勤務年数に応じた支払債務の現在価値を

予測給付債務(PBO)という。

 

 

累積給付債務ABOとの違いにより

最適なアセット・ミックスに

どのようない違いが生じるか。

 

PBOで捉えた年金債務は、

将来の給与上昇率及び

それに伴う給付額の増加を考慮したことになる。

 

将来の給与は景気動向、企業業績、インフレ率に

左右されるため、

 

長期的にはマクロ経済変数と

相関が高い株式のウエイトが増加すると考えられる。

 

 

PBOは、在職者と受給者・受給待機者について、

将来の勤務を考慮して算出した給付額のうち、

給付が給与比例制の場合、

退職時までの昇給を織り込んでいる。

 

 

ABOは、受給資格に関係なく、

受給者・受給待機者及びすべての在職者について

将来の勤務を考慮して算出した給付額のうち、

 

決算時点までの勤続期間と

基準給与に基づいて計算した給付の現価であり、

 

PBOのうち将来の昇給分を

見込まない債務ともいえる。

 

したがって、給付が定額制の場合には、

ABOとPBOは一致する。 

お気軽にお電話でご連絡ください
06-6131-5335 06-6131-5335
受付時間:10:00~19:00
Access

地下鉄東梅田駅から徒歩3分という便利なロケーションで税務のご相談を承っております

概要

会社名 TK税務&法務事務所
【一般社団法人租税高度困難事案研究所】
住所 大阪府大阪市北区梅田1丁目1番3-600号
大阪駅前第3ビル6階6-2号
電話番号 06-6131-5335
営業時間 9:00~17:00
定休日 土曜日 日曜日 祝日
最寄り 東梅田駅より徒歩3分

アクセス

主に法人の経営を税務と財務の視点から力強くアシストする幅広いサービスをご提供しております。
地下鉄東梅田駅から徒歩で3分という便利な立地に事務所を構えておりますので、ご相談はお電話やお問い合わせフォームから気軽にお申し込みください。
Contact

お問い合わせ

RELATED

関連記事