TK税務&法務事務所の事務所通信
柏木孝夫税理士・行政書士事務所
事務所通信

251号 証券アナリスト2次試験シリーズ デリバティブと投資戦略2

証券アナリスト2次試験シリーズ 

デリバティブと投資戦略2

(先物とオプションによる株式ポートフォリオのヘッジ)

(経済法令出版社の過去問より)

 

 

A社は、時価総額10億円の株式ポートフォリオ

運用している。

日経平均に対するベータ値は、1.5であり、

十分に分散投資されている。

 

現在の日経平均が15,000円で、

1年物の安全資産の利子率は2%である。

 

 

ここで、株式ポートフォリオを

日経平均先物でヘッジするとき、

 

何枚の先物を売却すればよいか。

日経平均の先物の売買単位は、

先物価格×1000円である。

 

 

10億円×ベータ1.5/(15000×1.02×1000)=98枚

先物を売却してヘッジすることとなる。

 

 

つまり、金利相当分の売却枚数

少なくなっていることになる。

 

 

プットでヘッジする場合は、Vp=V×(1+rp)

rp=rf+βp(rm-rf)

rm=(S-15000)/15000

Sは、1年後の日経平均

 

代入すると

Vp=10億円×(1+0.02+1.5×((S-15000)/15000-0.02))

Vp=100,000S-510,000,000

 

Vh=Vp+x×m×(K-St)

 

代入すると

Vh=100,000St-510,000,000+x×1,000×(K-St)

Kは行使価格

 

Vh=(100,000-x×1,000)St-510,000,000+x×1,000×K

 

 

そうすると、100,000-x×1,000=0 

だから xは100枚

 

x×1,000×K-510,000,000=10億円 

だから K=15,100円

 

 

したがって、権利行使価格15,100円のプット

100枚購入することによりヘッジする。

 

 

そうすると、権利行使価格15,100円のプレミアム

1,200円であるとすると、

 

ヘッジコストは、

1,200×100×1,000=120,000,000円となる。

 

実際には残存1年のプット・オプションは

十分な流動性がなく、

 

プロテクティブ・プットによる

ヘッジは現実的ではないため、

先物を使って同様の効果を狙うこととした。

 

 

プットでヘッジした場合 Vh=Vp+Np×P 

Npはプットの枚数(100枚)

 

先物でヘッジした場合  Vh=Vp+Nf×F 

Nfは先物の枚数(算出する)

 

プットでヘッジしたヘッジ・ポートフォリオの

日経平均の変動に対する反応度は、

 

これらをSで微分して、

ΔVh/ΔS=ΔVp/ΔS+Np×ΔP/ΔS

 

同様に先物でヘッジすれば、

ΔVh/ΔS=ΔVp/ΔS+Nf×ΔF/ΔS

 

 

そうすると、Np×ΔP/ΔS=Nf×ΔF/ΔSとなり、

Nf=(Np×ΔP/ΔS)/(ΔF/ΔS)

 

権利行使価格15,100円のオプションのデルタは

-0.46とすると

 

数字を代入すると、

Nf=100枚×(-0.46)/1.02=45 

先物は45枚を売り建てることとなる。

 

 

ここで、先物を使ったヘッジをかけた直後に、

日経平均が15,100円に上昇した場合、

次にどのような対応をすればよいか。

 

なお、権利行使価格15,100円のΔは

-0.408となった。

 

日経平均の上昇によるヘッジの必要枚数は、

x=100枚×(-0.408)/1.02=-40なので

先物を5枚買い戻すこととなる。

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