TK税務&法務事務所の事務所通信
柏木孝夫税理士・行政書士事務所
事務所通信

258号 証券アナリスト2次試験シリーズ デリバティブと投資戦略9

(金利スワップ)

(経済法令出版社の過去問より)

 

A銀行は、残存20年、クーポンレート5.5%のノン・コーラブル債を額面10億円保有する一方で、預金者に対して、3年満期の変動金利支払い債務がある。

なお、預金金利は1年物LIBOR-1%で支払われる。

一方、S商事は、1年物LIBORで支払われる変動利付債を保有しているが、変動金利による受取を年5.5%固定化することを望んでいる。

 

今、A銀行とS商事は、想定元本10億円、期間3年のプレーン・バニラ・タイプの金利スワップ契約を決めた。現在、LIBORが3%である。

 

S商事は、金利環境は今後低下すると予測している。

A銀行は、ノン・コーラブル債から固定5.5%受取、預金者へ変動LIBOR-1%支払、スワップで、変動LIBOR%受取、固定5.5%支払差し引き1%の受取となる。(金利スプレッド)

S商事は、変動LIBOR%の受取、スワップで固定5.5%の受取    

 

次に、スポットレートフォワード・レート割引係数の数値が与えられた場合の期間2年の金利スワップの変動金利部分(6月レート)現在価値の求め方は、

まず、0.5年分を求める

スポット・レート6月分×割引係数

次に、1.0年分を求める 

フォワード・レート(6月分)×割引係数

同様に1.5年分2.0年分を求めて合計することとなる。

 

金利スワップにおける変動金利側のキャッシュ・フローは、FRAの集合体と考えることができる。

 

そのため、変動金利側の現在価値を求めるには、想定元本100円当たりの半年ごとに受け取る金利に、各期間の割引係数を掛ければいい

 

たとえば、半年後のフォワード・レートは、現在の半年物スポット・レートと1年物スポット・レートから計算される。

 

(1+1年物スポット・レート)2=(1+0.5年ものスポット・レート)×(1+半年後のフォワード・レート)である。

 

そうすると、これらの金利の現在価値を求める場合は、これらのフォワード・レートに割引係数(ディスカウント・ファクター)乗じたものの合計となる。

 

そこで、この金利スワップ・レートは固定金利に変換するといくらの利率となるのかを計算すると、固定金利の現在価値と変動金利の現在価値が等しいことから、この固定金利をFとするとF/2年×(割引係数の合計)=変動金利の現在価値となる。

 

そうすると、今後2年間、現時点で求められたフォワード・レートが確実に実現するとした場合、約定した2年もの金利スワップの現在価値(固定金利側-変動金利側)は、どのように変化するか。

 

金利環境が想定したとおりであれば、すでに受け払いを行った金利及びその再投資金利を加えた両サイドの現在価値は等価であり、金利スワップの価値はゼロとなる。

 

これは、現在価値を求める際に用いる再投資利回りが等しいためである。 

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