TK税務&法務事務所の事務所通信
柏木孝夫税理士・行政書士事務所
事務所通信

第374号 証券アナリスト2次試験シリーズ コーポレート・ファイナンス2

(割引キャッシュフローモデルーリースか購入か)

(経済法令出版社の過去問より)

 

 

A社は社員一人に一台のパソコンの導入を

検討している。

 

購入の場合

代金 100億円

償却 5年定額20億円

残存価値 0円

金利   5%

税率   50%

 

したがって、期初の100億円の支出で、

毎年20億円の損金算入で

10億円の税金の支払が減少するため、

 

現在価値として

1年目は、マイナスの10億円/(1+0.05)、

2年目は、マイナスの10億円/(1+0.05)2と

順次計算すると、

5年でマイナス43.2億円の減税効果となることから、

現在価値は56.7億円となる。

 

 

リースの場合

総リース料  120億円

期間          5年

年間リース料 24億円

金利          5%

税率          50%

 

したがって、毎年リース料24億円の損金算入で

12億円の支出となる。

 

1年目は、12億円/(1+0.05)、

2年目は、12億円/(1+0.05)2と

順次計算すると、

 

キャッシュ・フローは5年で

52.0億円の現在価値となる。

 

そのため、リース方式を選択した方が有利である。

 

次に、全額を借り入れて購入した場合

期初の100億円の支出がなく、

期末に返済100億円であり、利息が5億円となる。

 

そのため、毎年20億円+5億円の損金算入で

12.5億円の税金の支払が減少するため、

現在価値として

1年目は、マイナスの12.5億円/(1+0.05)、

2年目は、マイナスの12.5億円/(1+0.05)2と

 

順次計算すると、

5年でマイナス54.09億円の減税効果

となる現在価値となる。

 

毎年の利息の現在価値の合計は21.65億円であり、

5年後に返済する元本100億円の現在価値は78.35億円

の合計100億円の現在価値であるから、

全額借入による減税効果の方が大きくなる。 

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