第379号 証券アナリスト2次試験シリーズ コーポレート・ファイナンス7
(配当と自社株買い)
(経済法令出版社の過去問より)
X社の発行済み株式総数は1億株、毎期100億円の
税引き後利益、全額を配当としている。
期待収益率が10%とする。
今期、1株当たりの配当100円を200円に増配し、
今期増配の原資100億円を
新規の株主に提供してもらう予定である。
1
増配前の現在の株価は、配当は100億円なので、
100億円÷10%÷1億株で1,000円である。
2
配当直前の権利付理論株価は、
1,000円+100円=1,100円である。
3
増配後の権利付理論株価は、1,100円である。
既存の株主にとって、
新規株主は、期待収益率が10%のため、
100億円の拠出に対して10億円の配当を受ける。
そうすると、2年目以降の利益100億円のうち
10億円は新規株主に配当されるため、
既存株主は90億円の配当となる。
そうすると、既存株主は、200億円の配当と、
90億円÷10%の配当となり株価は1,100円となる。
4
増配後の配当権利落ち価格は、
1,100円-200円で900円となる。
5
新規株主の拠出金額100億円を900円で割った金額が
新規株主が取得する株式数となる。
6
配当権利落後の株主価値は、
増資後も利益及び配当金額が100億円であるから、
期待収益率で割ると、1,000億円となる。
7
権利落ち後の新規の株主に帰属する株主価値は、
新規株主が受け取る配当金額10億円を
期待収益率で割って100億円となる。
結局、増配金額によって配当権利付株価に変化がなく、
また、権利落ち株価の場合、低くはなるが、
その分は増配によって得ているため、
既存株主の取り分に変化はない。
次に、配当に代えて100億円全額を
自社株買いに当てた場合について
1
自社株買い直前の株価は、留保金が100億円あり、
翌期以降は配当が100億円になるので、
1,100円となる。
2
自社株買いに100億円を当てた場合、
取得価額は1,100円なので、
100億円÷1,100円となる。
3
自社株買い後の株主価値は、
毎期の利益=配当の100億円を
期待収益率の10%で割り引いた1,000億円となり、
自社株買い後の株価は、
1,000円を株数で割った金額であり、1,100円となる。
4
自社株買いによって理論株価に変化はない。
ただし、経営者によるシグナル効果や
株式需給の変化から株価は影響を受ける。
地下鉄東梅田駅から徒歩3分という便利なロケーションで税務のご相談を承っております
概要
会社名 | TK税務&法務事務所 【一般社団法人租税高度困難事案研究所】 |
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電話番号 | 06-6131-5335 |
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