TK税務&法務事務所の事務所通信
柏木孝夫税理士・行政書士事務所
事務所通信

第405号 アクチュアリー試験KKT第10回 債券投資分析

金利の期間構造

純粋期待仮説とは、フォワード・レートは、市場参加者の将来金利の予想値を表すとする説である。

 

流動性プレミアム仮説とは、金利の期間構造は、将来金利に関する市場予測と、保有する債券のリスクに伴うリスク・プレミアムの2つで説明され、リスク・プレミアムは一般に長期債ほど大きいとする説である。

 

 

特定流動性選好仮説とは、金利構造は、将来金利に関する市場予測と、保有する債券のリスクに伴うリスク・プレミアムの2つで説明されるものの、リスク・プレミアムは長期債ほど大きいとは限らない、という立場に立った仮説である。

 

 

 

期間n年のスポット・レートが与えられている。債券Aは、クーポン・レート5%、フォワード・レートを用いて3年後の利払い日の直後の価格が88.9円とする場合の現在の価格を求める。

 

現在の価格=5/(1+r1)+5/(1+r2)2+

(88.9+5)/(1+r3)3

 

 

現在の価格が上記債券Aと価格が等しくなる残存期間3年のクーポン・レートを求める。

 

上記の価格=C/(1+r1)+C/(1+r2)2+

(100+C)/(1+r3)3

 

債券Bは、残存期間1年クーポン・レート10%、債券Cは、残存期間2年クーポン・レート20%、発行企業が倒産した場合の回収率は0%、債券B,Cの現在価値が95円とすると、1年後ではなく、2年後にデフォルトする確率を求める。

 

まず、現在95円で、1年後にデフォルトしている確率をp1とすると、1年後にデフォルトしていない確率(1-p1)×110円/(1+r1)、デフォルトの場合、0円で確率がp1。

 

そうすると、債券Bから、(1-p1)×110円/(1+r1)=95円で、p1=12.7%となる。

 

次に、債券Cについて、1年後にデフォルトしないので、クーポン20円を受け取ることとなる。

 

20円の現在の価値は、(1-p1)×20円/(1+r1)となる。

 

2年後には、100円とクーポン20円が貰えるので、120円に2年後にデフォルトしている確率をp2とすると、(1-p2)×120円/(1+r2)2

これを合計したものが、現在価値の95円となる。

 

 

つまり、(1-p1)×20円/(1+r1)+

(1-p1)×(1-p2)×120円/(1+r2)2

=95円となる。

 

そうすると、2年後に初めてデフォルトする確率は、(1-p1)×(1-p2)となる。

 

 

債券CのTスプレッドを求める。

債券Cと同一期間、同一クーポンレートの国債の最終利回りは2.3%である。

 

20/(1+r)+120/(1+r)2=95 Tスプレッド=r-2.3

 

 

債券Dのコンベキシティを求める。

1%の金利下落で価格が1.945%の上昇で、1%の金利上昇で価格が1.889%の下落

1.945=△(△1%)×D+1/2(△1%)2×CV

△1.889=△1%×D+1/2(1%)2×CV

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