TK税務&法務事務所の事務所通信
柏木孝夫税理士・行政書士事務所
事務所通信

417号 ポイントの消費税の処理

百貨店のポイント付与は不課税取引か売上値引きか

商品をポイントで購入した場合の消費税の処理

 

売上値引きとして処理した場合

百貨店の売上高及び仮受消費税の残高は減少する。しかしながら、買い手はポイントの付与にかかわらず、購入代金の総額を費用及び仮払消費税と処理する。

そして、当該ポイントを次の取引時に使用した場合、買い手は、消費税込みの商品の代金をポイントで使用することとすると現金としての代金を支払っていない場合でも、商品代金を費用とし消費税を課税仕入れできるのかという問題が生じる。領収証では0円となっている。

 

ポイントで支払った場合には課税仕入れができなければ、消費税の総額は変化しないが、買い手としては、ポイントで支払うか現金で支払うかによって課税仕入れができるのか否かとなり、適正でないと考える(つまり不課税か非課税の商品を購入しようと考えるでしょう)。

 

しかしながら、本来ポイント付与時に仮払消費税の減額かポイント付与収入の課税売上げが生じているはずであったのではないかと考えると、ポイント使用時に課税仕入れができないことも問題ではないこととなる。

 

不課税として処理した場合

百貨店の仮受消費税の残高は減少しない。そして、当該ポイントを次の取引時に使用した場合、ポイントは不課税取引なので、商品代金を値引きで購入したとするとポイント相当分だけ課税仕入れできないことになるので消費税総額は増加することとなる。

そのため、ポイントの使用はあくまで、商品代金の支払手段としてポイントで行ったものと考えて全額課税仕入れできることとなるものと考える。

 

問題点

百貨店が売上値引き処理するか不課税処理するかによって、ポイント使用時の買い手の課税仕入れができるか否かが異なってくることである。

さらに、会社費用の支払に対して、代表者が自らのポイントを使用して商品を購入した場合、いわゆる立替金とした場合に、会社は費用として計上するのは、ポイントを差し引いた額とすると、全額をポイントで支払った場合には費用計上できないこととなるので、代表者がポイントで支払ったか現金で支払ったかを問わず、総額をもって費用及び課税仕入れとなるものと考える。

 

そうすると、この場合でも、代表者が商品を購入した百貨店の処理が不課税処理か売上値引き処理かにより、会社は課税仕入れできるのか否かが異なることとなるのか。

 

そうすると、百貨店が売上値引き処理した場合にポイントを使用した取引は課税仕入れができないとするのは、本来ポイント付与時に仮払消費税の減額かポイント付与収入の課税売上が生じているはずであってのではないかと上記のように考えるのであれば、

 

立替金処理した会社にとっては、関係のないことであり、本来的に費用化できるのであれば、課税仕入れができて当然であり、ここに課税売上げと課税仕入れの間に不一致が生ずることとなる。

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