第172号 現代思想1 ニーチェ
今回のシリーズは「現代思想」です。興味がある方もない方も、聞いたことはあるかもしれないけどよくわかりませんという反応だと思います。本科試験にもFP試験にも出ませんが、こんなことかと思っていただけたらと思います。
第1話 ニーチェ
現代思想というのはニーチェから始まります。(正確には、ニーチェとフロイトとソシユールですね。)それまでのものは哲学といいました。哲学は真理や正義を求める学問でしたが、ニーチェ以降は考え方みたいな感じで、ちょっと違うので、名前も変わったのです。
有名な作品は「ツァラトウストラはかく語りき」ですね。ツァラトウストラというのは、舌をかむような名前ですが、ゾロアスターのことです。このゾロアスター教の創始者とニーチェの対話を記載したものです。
いままでの哲学は、言っている内容を検討していたのです。生きるとはなにかとかですね。それが、ニーチェは、なんでこんなこというのか。という視点からみるようになりました。
つまり、言語の中で、真理や正義を議論していたのが、その言葉の背景を議論の対象にしたのです。
ニーチェの思想を考える上で、必要なワードとして、ニーチェは人間の生を肯定しています。そこから、超人主義、権力への意志、ディオニソス英語でバッカスが出てきます。
いままでの思想がアポロンであったものを、ディオニソス的な人間のより深い部分での感性というか考えをピッパリだしたのです。
ひとりひとりの人間は弱い人間であり、人間という普遍なものではなく、その個性に着目し、それを克服していく超人の思想です。表面的なアポロン的な部分より、各個人の深層の中にあるディオニソス的な部分が重要である人間の生を肯定しているのです。
つまり、現代思想とは個人に着目し、その背景を読み取ることです。そして再度そこから全体を積み上げて社会を見ていくことです。
たとえば、ヘーゲルの師であるスピノザは、「哲学の目的とは目の前の世界のなかに永遠を観照(本質を極めること)すること」であると言っています。ニーチェとはまったくの反対です。
次に超人ですが、これは、人間というのは中途半端な存在であり、不安定な存在である。ちょうど綱渡りをしている人のようだと。こういう人間の条件から目をそらすのではなく、厳しくそれを見つめて克服していくことであるということです。そして、大きくなること、より強い力を持つことへの意志というものが生であるという考えです。そこから外在的な基準がなくなったということを「神は死んだ」というフレーズになるのです。
次に力への意志ですが、ニーチェは、人々はニヒリズムに陥っている。そして、これらの人々の心はルサンチマン(怨恨)に支配されている。といっています。
つまり、自分の生きていることが不遇であり、充分に報われていないという感じ、そういう不遇感から発して、正義を唱えること(社会主義の革命など)となると言っています。こういうのが人が言葉を発する背景にあるということです。
つまり、生の目的はなにかという問いに対して、ニーチェはより大きく、強くなることであるといっています。これが、力への意志です。
最後に、ニーチェの言葉ですが、「大事なのは、その人が言った言葉の内容ではなく、誰がそれを言ったかです。」同じことを言っても、調査官が言うのと、署長が言うのでは違うってことです。
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