第187号 特定資産に係る譲渡等損失額の損金不算入
この規定は、支配関係法人の間で、支配関係が生ずる前から有していた資産等の含み損を実現させずに特定適格組織再編成等が行われ、その後に一定の期間内に含み損を実現させた場合に、それによって生じる損失の控除を否定するための規定です。
法人税法第62条の7第1項は、内国法人と支配関係法人との間で当該内国法人を合併法人、分割承継法人、被現物出資法人又は被現物分配法人とする特定適格組織再編成等が行われた場合には、当該内国法人の適用期間において生ずる特定資産譲渡等損失額は、当該内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない旨規定しています。
なお、特定適格組織再編成等が行われた場合には、当該内国法人の当該特定適格組織再編成等の日の属する事業年度(特定組織再編成事業年度)開始の日の5年前の日、当該内国法人の設立の日又は当該支配関係法人の設立の日のうち最も遅い日から継続して当該内国法人と当該支配関係法人との間に支配関係がある場合として法人税法施行令第123条の8第1項で定める場合を除きます。
適用期間とは、当該特定組織再編成事業年度開始日のから同日以後3年を経過する日までの期間をいいます。
法人税法施行令第123条の8第1項、政令で定める場合とは、次の各号に掲げる場合のいずれかに該当する場合とする旨規定しています。
つまり、次の場合には、特定適格組織再編等が行われた場合として扱わない。
つまり、損金不算入の規定は適用せず、損金の額に算入するってことです。
第1号 支配関係法人との間に特定組織再編事業年度開始の日の5年前の日から継続して支配関係がある場合
第2号 内国法人又は支配関係法人が5年前の日後に設立された場合であって、当該内国法人と当該支配関係法人との間に当該内国法人の設立の日又は当該支配関係法人の設立の日のいずれか遅い日から継続して支配関係があるとき
なお、次の場合を除きます。つまり、損金不算入の適用除外に該当しないってことです。
イ 当該内国法人との間に支配関係がある他の法人を被合併法人、分割法人、現物出資法人又は現物分配法人とする適格組織再編成等で、当該支配関係法人を設立するもの
又は当該内国法人と当該他の法人との間に最後に支配関係があることとなった日以後に設立された当該支配関係法人を合併法人、分割承継法人、被現物出資法人若しくは被現物分配法人とするものが行われていた場合
口 当該支配関係法人との間に支配関係がある他の法人を被合併法人、分割法人、現物出資法人又は現物分配法人とする適格組織再編成等で、当該内国法人を設立するもの又は当該支配関係法人と当該他の法人との間に最後に支配関係があることとなった日以後に設立された当該内国法人を合併法人、分割承継法人、被現物出資法人若しくは被現物分配法人とするものが行われていた場合
結局、当該支配関係法人又は当該内国法人との間に支配関係のある他の法人を介して適格組織再編成等を行うことにより適用除外を受けることはできないってことですね。
法人税法第62条の7第2項は、第1項に規定する特定資産譲渡等損失額とは、次に掲げる金額の合計額を言う旨規定しています。
第1号 第1項の内国法人が第1項の支配関係法人から特定適格組織再編成等により移転を受けた資産で当該支配関係法人が当該内国法人との間に最後に支配関係があることとなった日(支配関係発生日)前から所有していたもの(特定引継資産)の譲渡、評価換え、貸倒れ、除却その他これらに類する事由による損失の額の合計額から特定引継資産の譲渡又は評価換えによる利益の額の合計額を控除した金額です。
つまり、含み損がある資産を、黒字の関連会社に簿価で移転させ、その後、関連会社で含み損を顕在化させて、黒字と相殺させる租税回避を防止するためです。
第2号 第1項の内国法人が支配関係発生日の属する事業年度開始の日前から有していた資産(特定保有資産)の譲渡、評価換え、貸倒れ、除却その他これらに類する事由による損失の額の合計額から特定保有資産の譲渡又は評価換えによる利益の額の合計額を控除した金額です。
法人税法第62条の7第3項は、前二項の規定は、支配関係がある被合併法人等と他の被合併法人等との間で法人を設立する特定適格組織再編成等が行われた場合について準用する旨規定しています。
なお、当該特定適格組織再編成等の日の5年前の日、当該被合併法人等の設立の日又は当該他の被合併法人等の設立の日のうち最も遅い日から継続して当該被合併法人等と当該他の合併法人等との間に支配関係がある場合として政令で定める場合を除きます。
法人税法第62条の7第4項は、第1項に規定する支配関係法人又は第3項に規定する被合併法人等が特定適格組織再編成等の直前において欠損等法人であり、かつ、当該特定適格組織再編成等が適用期間内に行われるものであるときは、第1項の内国法人が当該支配関係法人又は当該被合併法人等から当該特定適格組織再編成等により移転を受けた資産については、当該特定適格組織再編成等に係る同項の規定は適用しない旨規定しています。
法人税法第62条の7第5項は、第1項の内国法人が欠損等法人であり、かつ、特定適格組織再編成等が適用期間内に行われるものであるときは、当該内国法人が有する資産については、当該適格組織再編成等に係る第1項の規定は、適用しない旨規定しています。
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