第122号 法人税法施行令第8条(資本金等の額)Part 6
法人税法第2条(定義)12号の10は、分社型分割とは、次に掲げる分割をいうとして、
イ 分割により分割法人が交付を受ける分割対価資産が当該分割の日において当該分割法人の株主等に交付されない場合の当該分割(無対価分割を除く)。株主等に交付されると分割型分割になるため
ロ 無対価分割で、その分割の直前において分割法人が分割承継法人の株式を保有している場合の当該無対価分割。いわゆる無対価分割である。
なお、分割承継法人が分割法人の発行済株式等の全部を保有している場合を除く。これは、分割承継法人が分割法人の発行済株式等の全部を保有している場合というのは、子会社から親会社に分割することとなり、分割型分割になってしまうためである。
法人税法施行令第8条第1項第7号は、(分割承継法人の側からの視点)分社型分割により移転を受けた資産(移転資産)及び負債(移転負債)の純資産価額から(純資産価額については、次に掲げる区分に応じそれぞれ次に定める金額)当該分社型分割による増加資本金額等を減算した金額を資本積立金の額とする旨規定しています。つまり、純資産価額から増加資本金額等を減算した金額が資本積立金であるとしており、利益積立金は移転しないということです。
また、この分社型分割は、分割承継法人が既に設立されているイメージなので、無対価の場合は別途規定している。この規定振りは、分割承継法人の側の話なので、分割法人の側は、資産・負債から有価証券に変換されている。スピンオフでは読みにくい。
ちなみに、スピンオフは、資本関係が続く場合の呼称で、資本関係がなくなる場合をスピンアウトと呼んでいます。
増加資本金額等とは、分割承継法人が、当該分社により増加した資本金の額と(資本金の額は柱書きで記載しているため)当該分社型分割により分割法人に交付した金銭並びに当該法人の株式以外の資産の価額の合計額をいい、これは、分割法人に交付したので分割承継法人に残っていないため、これらを純資産価額から除いているのです。
(以下三角合併)
適格分社型分割により分割法人に分割承継親法人株式を交付した場合にあっては、その交付した分割承継親法人株式の当該適格分社型分割の直前の帳簿価額とします。
イ 適格分社型分割に該当しない分社型分割の場合(一般的な非適格分社型分割)は、(時価譲渡のため)当該分社型分割により分割法人に交付した当該法人(分割承継法人)の株式その他の資産の価額の合計額が純資産価額となります。
したがって、ここから増加資本金額等を減算した金額が、分割承継法人の資本積立金の額となる。(原則)
今規定しているのは、分割承継法人における資本積立金の金額ですが、純資産価額は、分割承継法人が分割により受け入れた純資産の時価と記載されておらず、分割対価として分割法人に交付された資産の分割時の時価としています。
だから読みにくいのですが。これは、のれんの存在があるからです。のれんがなければ、各資産の時価と一致しますが、のれんの個別評価が困難なので、算出しやすい方で規定しているのです。
ロ 適格分社型分割に該当しない分社型分割(非適格分社型分割)のうち法人税法第62条の8第1項に規定する非適格合併等に該当しない場合(無対価分割を除く)は、当該移転資産の価額から当該移転負債の価額を減算した金額が分割承継法人の純資産の額となります。つまり、のれんが生じない非適格分社型分割です
ハ 適格分社型分割に該当しない分社型分割(非適格分社型分割)のうち無対価分割で分割法人が当該法人(分割承継法人)の発行済み株式(自己株式を除く)の全部を保有する関係がある場合は、当該移転資産の価額から当該移転負債の価額を控除した金額が分割承継法人の純資産の額となります。
なお、これらには、資産調整勘定や負債調整勘定(いわゆるのれんのこと)を含み、営業権にあっては、独立取引営業権に限るものとします。
つまり、営業権とは、いわゆるのれんのことであるが、のれんの評価が差額と認識するのにたいして、別途合理的に算出されたものを独立取引営業権として評価しようとするものです。
つまり、非適格合併等に該当すれば、資産調整勘定(のれん)が発生すると考える。
ニ 適格分社型分割の場合は(簿価譲渡)当該適格分社型分割に係る分割法人の当該適格分社型分割の直前の当該移転資産の帳簿価額から当該移転負債の帳簿価額を減算した金額(簿価純資産)が分割承継法人の純資産の価額となります。
法人税法第62条の8(非適格合併等により移転を受ける資産等に係る調整勘定の損金算入)第1項の非適格合併等とは、適格合併に該当しない合併又は適格分割に該当しない分割、適格現物出資に該当しない現物出資若しくは事業の譲受けのうち法人税法施行令第123条の10で定めるもの
なお、法人税法第62条の8第1項は、資産調整勘定を定義している。第2項は、負債調整勘定を定義している。
つまり、適格合併等に該当しないことが、すなわり非適格合併ではなく、非適格合併等とは、適格合併等に該当しない組織再編としての合併等のことであり、単なる資産の譲渡ではない。
法人税施行令第123条の10第1項は、非適格合併等となる条件とは、分割、現物出資又は事業の譲受け(をした法人)の(非適格分割等のうち、当該非適格分割等に係る分割法人、現物出資法人又は移転法人(これらを譲受け法人という)に対して当該事業の移転をした法人)当該非適格分割等の直前において行う事業及び当該事業に係る主要な資産又は負債のおおむね全部が当該非適格分割等により当該非適格分割等に係る分割承継法人、被現物出資法人又は譲受け法人に移転をするものとする旨規定しています。
結局、事業全体が一体として移転する場合に取得資産・負債の価額と交付対価の額との間に差額が生じます。これはのれんのことです。
したがって、こののれんが生じる非適格とのれんが生じない非適格に区分しているのです。のれん自体が、差額(超過)の概念なので、個別に評価できないためです。
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