TK税務&法務事務所の事務所通信
柏木孝夫税理士・行政書士事務所
事務所通信

158号 国民年金2

振替加算

いままでは、モデル的な家庭の家族構成を、夫が会社員で厚生年金、妻が専業主婦で国民年金、子供が2人いる家庭を想定していました。しかも、年金制度が昭和36年4月から開始されたため、専業主婦は国民年金に加入していませんでした。昭和61年に年金制度の大改革があり、原則、すべての国民は国民年金(1号被保険者)厚生年金か共済年金(2号被保険者)会社員•公務員の配偶者(3号被保険者)なったのです。

 

 

そうすると、いままで、国民年金に加入していなかった会社員・公務員の配偶者は昭和61年以後の(婚姻期間)分だけが老齢基礎年金の計算に算入されることとなります。なお、そもそも年金がもらえるかどうかの25年の判定には、(現在は10年)以前から加入者であったとみなす空期間があるので大丈夫ですが。

 

 

そうすると、昭和62年に65歳となった会社員の配偶者の老齢基礎年金の金額は、年間で79万円の(12月/480月)しかもらえません。本来の納付期間の20年のうち、1年しか払っていませんのでこれでは、老齢者となっても夫に食べさせてもらうこととなり、女性の独立がかないません。

 

 

そこで、まず、会社員が60歳から特別支給の老齢厚生年金又は65歳からの老齢厚生年金を受け取ることができることとなった場合、配偶者(妻)が厚生年金・共済年金の加入者でないこと、65歳未満であること、夫が240月以上の会社員であることを要件として、夫の老齢厚生年金の支給額に224, 700円の加給年金を加算することとなりました。そして、妻が65歳となって、自分の老齢基礎年金の支給を受けることとなったとき、先程説明したように、ほとんど自分の基礎年金の金額がありません。

そこで、この夫が受給していた妻の加給年金を妻が受給できることとなったのです。これを振替加算といいます。

 

 

しかしながら、昭和36年4月から年金制度ができているので、(女性としての)5年を加えて、昭和41年4月2日以後生まれの妻までとしました。昭和41年4月2日以後生まれの妻は、十分に自分の老齢基礎年金を貰うことができるという前提です。

なお、生年月日が昭和41年4月2日に近づくにつれて、振替加算額は減少していきます。昭和41年4月1日生まれでは、年額15,054円の加算しかありません。

 

 

 

ここで、妻が65歳からの老齢基礎年金の受給資格を得たにもかかわらず、支給の繰り下げによる加算を受けようとした場合、この振替加算には繰り下げによる加算はないばかりか、老齢基礎年金の受給があるまで停止します。つまり、放棄ってことです。繰り下げまでして、今我慢できる者にはいらないでしょうってこと。気をつけましょうね。

 

 

また、年上女房の場合はどうするか。まず、夫が240月の厚生年金加入期間がないときは、妻が65歳になって老齢基礎年金を貰っていても、振替加算はありません。夫の会社勤務が240月に達した日以後になります。ということは、夫が受給者となっても加給年金はないってことです。夫が65歳になった時には、妻はすでに65歳になっていますので、あしからず。しかし、妻が老齢基礎年金を受給できるのでしかたないですね。

でも、振替加算は条件がそろえば、夫が65歳になったときに、配偶者は振替加算が貰えます。

 

 

なお、いったん振替加算を受給した妻は、それ以後に離婚しても振替加算がなくなることはありませんので、よかったですね。

最後に、めずらしいことですが、国民年金保険料を一度も支払ったことがない者、つまり、老齢基礎年金が0円の者も、また、やさしい夫でずっと妻の国民年金保険料を支払ってきた者、つまり、妻が満額の老齢基礎年金を貰うことができる妻も振替加算は貰えるのです。よかったよかった。

 

結局、妻が昭和41年4月2日以後生まれの人は振替加算は関係ないですけどね。

 

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