第162号 厚生年金3
退職改定
厚生年金の被保険者とは、適用事業所に使用される70歳未満の者と規定されています。 年金は、通常65歳から支給されます。そうすると、65歳を超えて会社員として働いている場合には、年金の支給を受けながら、年金の保険料を支払うこととなります。この支払った保険料はどうなるのでしょうか。そもそも保険料は幾ら支払っているのでしょうか。
まず、標準報酬月額が決められます。88, 000円から620, 000円までの31段階に区分されています。同様に、標準賞与額を決定します。1,000円未満切捨てで150万円が上限です。これらに、1000分の183.0を乗じた金額を事業主と折半します。そうすると、88,000円の場合は、16,104円になり、620,000円の場合は、113, 460円で、それぞれその半額を給料・賞与から天引きされます。
そうすると、65歳以降70歳まで年間収入300万円で再雇用された場合は、300万円の 183/1000で、549, 000円を5年間で2,745,000円支払うこととなります。天引きは、半分の1,372,500円です。
ここで、退職改定です。厚生年金法第43条は、被保険者である受給権者がその被保険者の資格を喪失し、かつ、被保険者となることなくして被保険者の資格を喪失した日から起算して1月を経過したときは、その被保険者の資格を喪失した月前における被保険者であった期間を老齢厚生年金の額の計算の基礎とするものとし、退職した日から起算して1月を経過した日の属する月から、年金の額を改定する旨規定しています。
つまり、老齢厚生年金は、繰下げまたは、繰上げ支給を選択することができますが、原則65歳からの支給となります。そのため、65歳を超えてもずっと働いた場合であっても、原則65歳からの支給となるので、一旦そこで、受給すべき金額が確定されます。働きながら、65歳未満で繰上げ支給を受けることは、想定していませんが、あまりメリ ットはないと思います。
働いているので、老齢厚生年金の受給を繰下げして、多く受給することも考えられますが、まず65歳時の老齢厚生年金の受給金額が確定します。そのまま、働いているので、老齢厚生年金を受給すると、実際働いている給与と老齢厚生年金を貰いながら、厚生年金の保険料を支払うこととなります。
70歳まで働いた場合の支払い保険料の合計額が上記で記載したとおりです。では、70歳となって、退職した場合は、どうなるでしょうか。単純に訐算すると、平均標準報酬額は、年収300万円の12分の1で、これに5. 481/1000 を乗じ、かつ、5年なので60月を乗じた金額82,215円が年額として増加することとなります。ですから、その後20年生きるとすると、1,644,300円を受給することとなります。
上記支払い保険料総額からすると、自己負担分程度の回収となり、事業主負担部分は捨てることとなる計算です。ここで、在職老齢年金を説明します。というのは、話はそんなに簡単ではありません。在職老齢年金というのは、年金と言っていますが、実は、マイナスの年金なのです。在職つまり、会社員として働いている人は、給与があるので、その分一定額の年金をカッ卜しますってことです。これは、年金を受け取らずに繰下げしてもだめです。貰ったものとして計算してカットされた金額のみ繰下げることとなります。
では、幾らカットされるのでしょうか。
実は、在職老齢年金には、65歳前のものと65歳以後のものがありますが、ここでは、65歳以後のもので説明します。総報酬月額相当額、簡単にいうと賞与を含めた年間金額の12分の1です。これに、老齢年金年額の12分の1を合計し、これが支給停止調整額(現在46万円)を超えるとき、その超えた金額の半分が支給停止となります。
例えば、給与年収が504万円で年金が156万円の場合、504万円+ 156万円の合計の1月分55万円となるので、48万円を控除した半分3万5千円が1月当たりの支給停止となり、年金は年額114万円となります。
なお、配偶者がいる場合の加給年金は年金の基本月額に当たらないので停止の対象とな りません。また、不動産所得や事業所得は総報酬月額相当額に当たらないので、幾らあっても停止の計算には入りません。なお、2022年4月の年金改正があり、65歳以降は70歳まで待たずとも、毎年改定されて、支給される年金額に反映されることとなりました。
よかった。
さらに、在職老齢年金も60歳から65歳まで期間の切り捨て金額も65歳以上と同じとなり、カットが大幅に減少しました。しかし、この特別支給の老齢厚生年金をもらう人ってもうすぐいなくなるのです。
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