第181号 交際費等1
租税特別措置法通達61の4(1)-15(交際費等に含まれる費用の例示)は、次のような費用((1)から(10)まで)は、原則として交際費等の金額に含まれるものとする旨定めています。そして、(9)において、得意先、仕入先等の従業員等に対して取引の謝礼等として支出する金品の費用は交際費等に該当する旨定めています。
これは、企業対企業の取引に関連して、その従業員等にいわゆる袖の下や心付け等いった利益を享受させる場合に要した費用については、たとえ売上高にスライドするとしても得意先である事業者に帰属するものではないので、割戻し等ではなく、全てが交際費等に含まれるものであることを定めています。
租税特別措置法通達61の4(1)-8(情報提供料等と交際費等との区分)は、法人が取引に関する情報の提供又は取引の媒介、代理、あっせん等の役務提供(情報提供等)を行うことを業としていない者に対して情報提供等の対価として金品を交付した場合であっても、その金品の交付につき、例えば、次の要件の全てを満たしている等その金品の交付が正当な対価の支払であると認められるときは、その交付に要した費用は交際費等に該当しない旨定めています。
なお、上記「業としていない者」には、当該取引に相手方の従業員等を除くものとしています。つまり、当該取引に相手方の従業員等については、租税特別措置法通達61の4(1)-15に該当し交際等となるので、3つの要件を考慮しないということです。ここでは、得意先等の従業員等に対する謝礼等は交際費に該当するところから、専門の仲介業者や商社以外の者に対して支払う情報提供料や取扱手数料等が交際費等に含まれるものであることを定めています。
しかしながら、情報提供料等については、3つの要件のすべてに該当した場合には、正当な取引に係る役務の提供料であるとして交際費等に該当しないものとして取り扱うこととしています。なお、業としている場合は当然手数料等として損金算入となります。
では、3つの要件とは、
1 その金品の交付があらかじめ締結された契約に基づくものであること
2 提供を受ける役務の内容が当該契約において具体的に明らかにされており、かつ、これに基づいて実際に役務の提供を受けていること
3 その交付した金品の価額がその提供を受けた役務の内容に照らし相当と認められることなお、この取扱いは、その情報提供等を行う者が非居住者又は外国法人である場合にも適用があるが、その場合には、その受ける金品に係る所得が所得税法に掲げる国内源泉所得に該当するときは、これにつき相手方において所得税法又は法人税法の納税義務が生じることがあることに留意する旨定めています。
つまり、情報提供料等の全てが交際費等に含めるべきものではなく、正当な取引の対価としての金品の交付であれば「手数料」等として損金算入が認められるものである。
あらかじめ締結された「契約」とは、必ずしも契約書の形で作成されたものであること要せず、条件の掲示や取引のあっせんを募る場合であっても認められます。さらに、正当な対価の支払いであるので、観光バスの運転手へのチップなどは、運転が運転手の正当な職務上の行為であるので、該当しません。
では、当該情報提供料等が、取引先の役員に支払われたときは、どのように取り扱うこととなるのかを考えてみると、当該役務の提供等に係る金品の交付の相手方が取引先の役員であるというだけで、当該金品の交付が交際費等に該当しないというものではないと考えます。
そうすると、当該金品の交付に係る契約があらかじめ締結されたものであっても、正当な取引の対価でない場合、例えば、施設の建設に係るバックリベートなどは、交際費等に該当します。
では、最後に、当該役員がその受け取ったバックリベートなどの金品の課税について検討すると、当該役員を従業員等に含めた場合には、金品を交付した法人については、61の4 (1)-8ではなく、61の4 (1)-15に基づいて交際費等として課税することとなり、当該金品を受け取った役員については、建設会社から役員への謝礼金として雑所得等で課税することとなります。
なお、当該施設の建設を発注した法人がその取引を黙認し、当該法人の役員の業務であるとされる場合には、当該金品が法人に一度収益として課税した上で、役員等に対する給与となると考えますが、当該施設の建設を発注した法人の収益であるとする場合には、バックリベートが売上割戻しでないことを説明する必要があると考えますがいかがか。
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