第182号 法人税法第62条の概要(組織再編成に係る所得の金額の計算)
第62条は、合併及び分割による資産等の時価による譲渡について規定しています。内国法人が、合併又は分割により合併法人又は分割承継法人にその有する資産又は負債の移転をしたときは、当該合併法人又は分割承継法人に当該移転をした資産及び負債の当該合併又は分割の時の価額により譲渡したものとして、当該内国法人の各事業年度の所得の金額を計算します。
つまり、組織再編は、資産の時価譲渡としてとらえることを原則とするということです。
第62条の2は、適格合併及び適格分割型分割による資産等の帳簿価額による引継ぎについて規定しています。内国法人が適格合併により合併法人にその有する資産及び負債の移転をしたときは、当該合併法人に当該移転をした資産及ぶ負債の当該適格合併に係る最後事業年度終了の時の帳簿価額として政令で定める金額により引継ぎしたものとして、当該内国法人の各事業年度の所得の金額を計算します。
つまり、適格の場合は特例として、資産の譲渡を簿価で行うとするというものです。
第62条の3は、適格分社型分割による資産等の帳簿価額による譲渡について規定しています。内国法人が、適格分社型分割により分割承継法人にその有する資産又は負債の移転をしたときは当該分割承継法人に当該移転をした資産及び負債の当該適格分社型分割の直前の帳簿価額による譲渡をしたものとして、当該内国法人の各事業年度の所得の金額を計算します。
第62条の4は、適格現物出資による資産等の帳簿価額による譲渡について規定しています。内国法人が、適格現物出資により被現物出資法人にその有する資産の移転をし、又はこれと併せてその有する負債の移転をしたときは、当該被現物出資法人に当該移転をした資産及び負債の当該適格現物出資の直前の帳簿価額による譲渡をしたものとして、当該内国法人の各事業年度の所得の金額を計算します。
第62条の5は、現物分配による資産の譲渡について規定しています。内国法人が、残余財産の全部の分配又は引渡しにより被現物分配法人その他の者にその有する資産の移転をするときは、当該被現物分配法人その他の者に当該移転をする資産の当該残余財産の確定の時の価額による譲渡をしたものとして、当該内国法人の各事業年度の所得の金額を計算します。
第62条の6は、株式等を分割法人と分割法人の株主等とに交付する分割について規定しています。分割法人が、分割により交付を受ける資産(分割対価資産)の一部のみを当該分割法人の株主等に交付をする分割が行われたときは、分割型分割と分社型分割の双方が行われたものとみなす。
第62条の7は、特定資産に係る譲渡等損失額の損金不算入について規定しています。内国法人と支配関係法人との間で当該内国法人を合併法人、分割承継法人、被現物出資法人又は被現物分配法人とする特定適格組織再編成等が行われた場合には、当該内国法人の適用期間において生ずる特定資産譲渡等損失額は、当該内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しません。グループ法人税制の適用で組織再編をした場合の取扱いである。
第62条の8は、非適格合併等により移転を受ける資産等に係る調整勘定の損金算入等について規定しています。内国法人が、非適格合併等により当該非適格合併等に係る被合併法人、分割法人、現物出資法人その他政令で定める法人から資産又は負債の移転を受けた場合において、当該内国法人が、当該非適格合併等により交付した金銭の額及び金銭以外の資産の価額の合計額が、当該移転を受けた資産及び負債の時価純資産価額を超えるときはその超える部分の金額のうち政令で定める部分の金額は、資産調整勘定の金額とします。
非適格の場合は、時価譲渡となるので、超過分については、いわゆるのれんであり、これを資産調整勘定として取り扱うというものです。
第62条の9は、非適格株式交換等に係る株式交換完全子法人等の有する資産の時価評価損益について規定しています。内国法人が、自己を株式交換等完全子法人又は株式移転完全子法人とする株式交換等又は株式移転(非適格株式交換等)を行った場合には、当該内国法人が、当該非適格株式交換等の直前の時において有する時価評価資産の評価益又は評価損は、当該非適格株式交換等の日の属する事業年度の所得の金額の計算上、益金の額又は損金の額に算入します。時価に直すというこですね。
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