TK税務&法務事務所の事務所通信
柏木孝夫税理士・行政書士事務所
事務所通信

184号 反致

国際結婚

法律上夫婦となるためには、結婚の要件と方式(方法)が必要となります。結婚の要件は、たとえば、年齢です。これは、国によって異なっています。 結婚の方式は、たとえば、結婚をどこで届出または挙行するかです。日本では戸籍役場への届出ですが、教会での挙式が結婚の方法である国もあります。日本人が外国人と日本において外国の方法により結婚する場合は、外国人の属する国の大使館に届け出ることとなります。

 

 

 

そして、日本国の法令では、結婚の届出書を戸籍役場に届け出ることとなっていますが、他の国の法令によっては、結婚の方法は、婚姻挙行地における法のみによって行うことと定められている場合があります。こういう場合、結婚の届出書を当該外国の大使館に届け出ようとしたところ、挙行地が日本である場合は、受付できない法律になっていることとなります。

 

 

そこで、当該大使館では、結婚の届出を受付できないので、日本の戸籍役場に提出するように指示します。これを反致(送り返すという意味)といいます。

たとえば、日本で結婚するアルゼンチン人同士の婚姻の要件は、日本の法例24条によるとアルゼンチン法によることとなりますが、アルゼンチンにおける法令では、婚姻挙行地法である日本法によることとされています。この場合、アルゼンチン法ではなく日本法を適用することになります。なお、婚姻の効力、夫婦財産制、離婚、親子間の法律関係については、反致しません。法の適用に関する通則法(以前は「法例」って呼んでいました。)

 

 

 

第24条(婚姻の成立及び方式)第1項、婚姻の成立は、各当事者につき、その本国法による。第2項、婚姻の方式は、婚姻挙行地の法による。第3項、前項の規定にかかわらず、当事者の一方の本国法に適合する方式は、有効とする。ただし、日本において婚姻が挙行された場合において、当事者の一方が日本人であるときは、この限りでない旨規定しています。

 

 

日本人が外国人と日本国内で結婚した場合、第2項で婚姻の方式は、婚姻挙行地の法、つまり日本法を適用することとなっていますが、第3項で、第2項の規定にかかわらず、当事者の一方の本国法。つまり、当該外国人の国の法を適用することができるとしています。

 

しかしながら、ただし書きで、当事者の一方が日本人の場合は、必ず日本法を適用することとなります。これは、日本人が日本国内で結婚しているにもかかわらず、日本の戸籍に記載されないこととなることを防ぐためです。

 

 

 

第25条(婚姻の効力)は、婚姻の効力は、夫婦の本国法が同一であるときはその法により、その法がない場合において夫婦の常居所地法が同一であるときはその法により、そのいずれの法もないときは夫婦に最も密接な関係がある地の法による旨規定しています。

 

 

外国人と結婚した場合の国籍については、外国人と結婚しても、日本国籍はそのままとなるのが通常です。ただし、外国人が男性の場合、その外国人の国の国籍法の定めによって外国人男性の国籍を取得したり、しなかったりします。

1 結婚することにより、外国人男性の本国の国籍を当然に取得する場合は、日本の国籍を失うことはありません。(スイス、イラン、韓国など)

しかし、一定の期間までに国籍を選択することとなります。放置しておくと、催告の後、日本の国籍を失うこととなります。

 

2 結婚後、外国人配偶者の国籍を希望すると、その国籍を取得することができる場合日本国籍は失いますので、国籍喪失届出が必要となります。(インドネシア、韓国など)

 

3 結婚後、帰化により、外国人男性の国籍を取得することができる場合2の場合と同様に国籍喪失届出が必要になります。(ほとんどの国)

 

 

韓国人と結婚した場合、2の場合として韓国人と結婚すると韓国国籍を取得することとなりますが、結婚後6月以内に日本国籍を離脱しなければ、韓国国籍を失います。しかし、 3の場合として、韓国国籍を希望すると、韓国国籍を回復し、日本国籍を失うこととなります。上記のように、外国人と結婚する日本人が、男性の場合と女性の場合で異なっており、さらに、二人の間にできた子供の国籍はもう少し複雑になるので、また今度ということにします。 

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