TK税務&法務事務所の事務所通信
柏木孝夫税理士・行政書士事務所
事務所通信

185号 特定株主欠損金1

特定株主等によって支配された欠損等法人の欠損金の繰越しの不適用

 

 

法人税法第57条は、黒字の内国法人が、繰越欠損金を有する法人を適格合併等によって、 繰越欠損金を有することとなった場合の控除の規制でしたが、第57条の2は、適格合併等により、被合併法人等を吸収することとなる法人が欠損法人の場合です。趣旨は、繰越欠損金を有する法人を購入してきて、将来の黒字を相殺すること想定し、これを防止する規定です。

 

 

法人税法第57条の2第1項は、内国法人で他の者との間に当該他の者による特定支配関係を有することとなったもののうち、当該特定支配関係を有することとなった日(支配日)の属する事業年度(特定支配事業年度)において当該特定支配事業年度前の各事業年度において生じた欠損金額又は評価損資産を有するもの(欠損等法人)

 

当該支配日以後5年を経過した日の前日まで次に掲げる事由に該当する場合には、

 

その該当することとなった日(該当日)属する事業年度(適用事業年度)以後の各事業年度においては、当該適用事業年度前の各事業年度において生じた欠損金額については、第57条(青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越し)第1項の規定は適用しない旨規定しています。

 

これは、青色欠損金又は資産の含み損を有する法人が、特定の株主によって株式買収され、その後5年以内に、買収前の事業を全部廃止し、その事業規模を大幅に超える資金の受入を行う等の一定の事由に該当することとなったときは、その法人の青色欠損金の繰越控除と資産の譲渡等による損失の損金算入が制限されるという規定です。

 

 

特定支配関係とは、当該他の者が内国法人の発行済株式の総数の100分の50を超える数の株式直接又は間接に保有する関係その他の政令で定める関係をいい、政令で定める事由によって生じたものを除きます。

 

 

次に掲げる事由(こんなことをすると欠損金の繰越しできないよ)

1 当該欠損等法人が当該特定支配日の直前において事業を営んでいない場合において当該特定支配日以後に事業を開始すること

 

2 当該欠損等法人が当該特定支配日の直前において営む事業の全てを当該特定支配日以後に廃止し、又は廃止することが見込まれている場合において、当該旧事業の特定支配日の直前における事業規模のおおむね5倍を超える資金の借入れ又は出資による金銭その他の資産の受入(資金借入れ等)を行うこと

 

3 当該他の者又は当該他の者との間に政令で定める関係がある者(関連者)当該他の者及び関連者以外の者から当該欠損等法人に対する債権で政令で定めるもの(特定債権)を取得している場合(特定債権が取得されている場合)において、当該欠損等法人が旧事業の当該特定支配日の直前における事業規模のおおむね5倍を超える資金借入れ等を行うこと

 

4 第1号若しくは第2号に規定する場合又は前号の特定債権が取得されている場合において、当該欠損等法人が自己を被合併法人とする適格合併を行い、又は当該欠損等法人の残余財産が確定すること

 

5 当該欠損等法人が当該特定支配関係を有することとなったことに基因して、当該欠損等法人の当該特定支配日の直前の役員の全てが退任をし、かつ、当該特定支配日の直前において当該欠損等法人の業務に従事する使用人の総数のおおむね100分の20以上に相当する数の者当該欠損等法人の使用人でなくなった場合において、当該欠損等法人の非従事事業の事業規模が旧事業の当該特定支配日の直前における事業規模のおおむね5倍を超えることとなること

 

6 前各号に掲げる事由に類するものとして政令で定める事由

 

 

 

第2項は、欠損等法人と他の法人との間で当該欠損等法人の該当日以後に合併、分割、現物出資又は現物分配が行われる場合には、次の各号に掲げる欠損金額については、それぞれ当該各号に定める規定は、適用しない旨規定しています。

 

1 欠損等法人を合併法人とする適格合併が行われる場合における当該適格合併に係る被合併法人の当該適格合併の日の前日の属する事業年度以前の各事業年度において生じた欠損金額(被合併法人の古い欠損金)については、第57条(繰越欠損金)の第2項、第3項、第7項の規定は適用しない。

 

なお、当該適格合併が当該欠損等法人の適用事業年度開始の日以後3年を経過する日(3年経過日)後に行われるものである場合には、当該欠損金額のうち、これらの生じた事業年度開始の日が当該適用事業年度事業開始の日前であるものに限ります。(前項の事由に該当することとなった事業年度)

 

 

2 欠損等法人を合併法人(資産の移転を受ける法人)分割承継法人、被現物出資法人又は被現物分配法人とする第57条第4項に規定する支配関係法人との間で行われる適格組織再編成等が行われる場合における当該欠損等法人の適用事業年度前の各事業年度において生じた欠損金額については、第57条(繰越欠損金)の第4項の規定は適用しない。

 

 

第3項は、欠損等法人の該当日以後に当該欠損等法人との間に完全支配関係がある内国法人で当該欠損等法人が発行済株式の全部又は一部を有するものの残余財産が確定する場合における当該内国法人の当該残余財産の確定の日の属する事業年度以前の各事業年度において生じた欠損金額については、第57条第2項、第3項及び第7項の規定は、当該欠損等法人については、適用しない旨規定しています。

 

 

第5項は、内国法人と欠損等法人との間で当該内国法人を合併法人とする適格合併等が行われる場合又は内国法人との間に完全支配関係がある他の内国法人である欠損等法人の残余財産が確定する場合には、これらの欠損等法人の適用事業年度前の各事業年度において生じた欠損金額については、第57条第2項、第3項及び第7項の規定は、適用しない旨規定しています。 

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